九重親方の故郷はショック「名前が出ると思わなかった」

[ 2011年2月7日 07:47 ]

大相撲・春場所中止

 日本相撲協会は春場所だけでなく今年の地方巡業の中止を決めている。巡業は地方のファンが力士と触れ合う数少ない機会。開催が予定されていた地域では「楽しみにしていた。残念」などの声が聞かれる。

 夏巡業は九重巡業部長(元横綱千代の富士)の故郷、北海道福島町でも予定されていた。同町で居酒屋を営む沢田留美子さん(55)は「ただびっくりした。まさかという感じ」と話した。

 沢田さんによると、九重部屋の力士は毎年のように、夏になると福島町を訪れ合宿。町民も町を歩く力士に声を掛け、この時期には観光客も増え、朝のけいこを見物するという。八百長を認めた九重部屋の十両千代白鵬も、時折、沢田さんの居酒屋を訪れた。「励ましたら『頑張るから』と話していた。名前が出ると思わなかった」と驚いていた。

 4月16日に長野市で開催予定だった春巡業の「大相撲長野場所」。人気力士と子どもたちの対戦、十両や幕内の取組もあり、既に入場券の販売も始まっている。主催者の長野朝日放送の広報担当者は「相撲界が(野球賭博事件以降)再生を誓い、信頼を取り戻しつつあると思っていたので、残念」と話す。

 4月10日に予定していた茨城県鉾田市の地方巡業は、すでに6割以上の入場券が売れていた。事務局は8日にも、入場券の払い戻し方法などを検討するという。

 担当者は「地元開催を心待ちにしていたファンの方々には、本当に申し訳ない」と悔しさをにじませる。「これを機に、うみを出し切って生まれ変わってほしい。トカゲのしっぽ切りで済ませてはいけない」と話した。

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2011年2月7日のニュース