八百長問題で春場所中止 大相撲消滅の危機

[ 2011年2月7日 06:00 ]

会見の冒頭で頭を下げる(左から)出羽海巡業部長、放駒理事長、村山副理事長、二所ノ関広報部長

 八百長問題で日本相撲協会は6日、両国国技館で臨時理事会を開き、3月13日から開催する予定だった春場所(大阪府立体育会館)の中止を決めた。放駒理事長(元大関・魁傑)は会見で謝罪し、全容解明し関与者の処分が終わるまで本場所を開催しないことを明言した。また臨時理事会では夏場所(5月8日初日、両国国技館)が中止された場合は無観客相撲を行うことでも一致。年内の巡業を全て中止することも決めた。八百長に関与した力士らの処分の検討は見送った。

 午後5時から行われた会見で放駒理事長は深々と頭を下げた。協会トップは「春場所の開催を断念する」と発表。顔を紅潮させ「長い相撲の歴史で最大の汚点」と語り「ファンの方々にご理解いただけない状況では、開催してはいけない」と苦しい胸の内を明かした。

 この日午前の臨時理事会で春場所中止を正式決定した。本場所が中止となるのは、戦争で被災した国技館の修復遅れを理由とした1946年夏場所以来65年ぶり2度目(32年春場所は延期扱い)。不祥事による中止は初めて。理事の間からは「技量審査」の場として無観客場所の開催を求める意見も出たが、放駒理事長は「公開、非公開でなく(世間の影響を考えれば相撲)そのものができない」と却下した。

 臨時理事会では、特別調査委員会が八百長疑惑の対象となっている14人の聞き取りや、全協会員を対象としたアンケートの結果を報告した。ただ、八百長関与を認めた十両・千代白鵬、竹縄親方(元幕内・春日錦)、三段目・恵那司の3人の処分の検討は持ち越した。

 放駒理事長は「うみを完全に出し切るまでは、土俵上で相撲をお見せすることはできない」と述べた。全容解明は長期化する見込み。ある親方は「1年間自粛した方がいい」とも話している。5月の夏場所はもちろん年内の全ての本場所が開催されない可能性もある。

 そうした非常事態に備える動きも出てきた。臨時理事会では、夏場所が中止になった場合は観客を入れず非公開で場所を開催することで一致した。無観客場所は太平洋戦争中の1945年6月の夏場所で1度だけ行われたことがある。無観客場所では外部表彰などはなくなるが、優勝や勝敗は記録として残る。白鵬の7連覇や魁皇の通算最多勝利などの歴史に残る快挙が観客のいない中で達成されることになる。

 余波は巡業にも及んでいる。相撲協会は年内の全ての巡業を中止することを決めた。相撲協会によると、1年で1度も巡業が行われないのは史上初。夏には九重巡業部長(元横綱・千代の富士)の故郷の北海道福島町、冬には大分県宇佐市で双葉山生誕100周年記念巡業も予定されていたが、全て中止になる。地方巡業は本場所と並ぶ興行の2本柱。ここ3年で45日、31日、21日と減少していたが、相撲協会にとって経営面でも人気・普及の面でも大打撃だ。4月に予定される伊勢神宮や靖国神社での奉納相撲も参拝だけ行って取組は行わない方向。ファンが相撲を見られる機会はほとんどなくなる。大相撲が消えることになる。

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