特別調査委「疑わしきは罰せずなら…広がらない」

[ 2011年2月3日 06:00 ]

第1回の会合を終え、会見する特別調査委員会(左から)山本委員、伊藤座長、吉野委員

大相撲八百長疑惑

 相撲協会が設置した特別調査委員会は2日夜に早速、第1回の会合を開いた。特別調査委は外部有識者7人で構成され、座長には相撲協会の伊藤滋外部理事(早大特命教授)が就任。会合では、メールで名前の挙がった13人に複数の弁護士が面接調査を実施し、5日の次回会合で結果をまとめて6日の臨時理事会に報告することを決めた。処分の勧告はしない予定。7日からは全関取へのアンケートと面接調査を、さらに全協会員に対するアンケートなどを実施して、実態把握を図ることになる。

 ただ、会合後に会見した伊藤座長は「まずは13人について深く掘り下げてやる」としたものの「皆さんの期待以上の結果にならないかもしれない。物証はメールだけですから。自分から“やった”と言う力士はいない」と弱腰発言。「調査表を基にした弁護士との対話の中から多様な展開が出てくる」と力士らの良心に訴えていくしか手立てがない、という本音ものぞかせた。

 わずか3日間の調査で13人の疑惑を解明するのは困難だけに、伊藤座長の口からは「この調査は大変難しい。物証がないし疑わしきは罰せずなら広がらない。世論が考えていることとわれわれの考えとはギャップがあると思う」と思わず弱音も飛び出した。最後は「13人の中で7、8人が(八百長に)関係なかった、というのが私の最大の期待だ」と早くも落ちどころまで模索。全協会員から携帯電話を提出させることも不可能なだけに、現状を見る限りでは、真相究明は望めなさそうな雲行きだ。

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2011年2月3日のニュース