また角界泥酔騒動…玉鷲、ガラス割り右腕負傷

[ 2011年1月28日 06:00 ]

初場所千秋楽で、豊ノ島(左)に外がけで敗れる玉鷲

 日本相撲協会は27日、幕内・玉鷲(26=片男波部屋)が初場所千秋楽の23日夜に都内の飲食店で泥酔し、店のガラスを割って右腕を負傷していたことを発表した。店側とのトラブルはなかったが、相撲協会は玉鷲と師匠の片男波親方(元関脇・玉春日)を厳重注意した。初場所中の14日には幕内の黒海と臥牙丸が朝まで痛飲して飲食店のガラスを割る騒ぎを起こしたばかり。泥酔騒動の連続に、協会幹部もさすがに渋い顔だ。

 相撲協会の二所ノ関広報部長(元関脇・金剛)と玉鷲の師匠・片男波親方によると、玉鷲が泥酔してケガを負ったのは初場所千秋楽だった23日の午後11時ごろ。部屋の打ち上げパーティー後の2次会で後援会関係者らと都内の飲食店に足を運んだが、泥酔して店内のガラスにもたれかかって割った際に右腕を負傷したという。

 付け人から連絡を受けた師匠はすぐに店に出向いて謝罪。特に大きなトラブルにはならなかった。だが、都内の病院で診察を受けた玉鷲は「右前腕筋神経腱動脈断裂で全治3週間」と診断され、そのまま入院。27日に退院した。片男波親方は「かなり酔っていたようです。酒の席とはいえど力士としての自覚が足りなかった」と頭を下げた。

 このケガにより玉鷲は来月の日本大相撲トーナメント(2月6日)、NHK福祉大相撲(同11日、ともに両国国技館)を欠場することが決定。相撲協会は「社会的責任と自覚の欠如」を理由に、師匠に対して口頭で厳重注意し、入院中だった玉鷲に対しても師匠を通じて厳重注意した。放駒理事長(元大関・魁傑)は「場所が終わった後の話なので、事情を聴く必要はない」と話した。

 初場所6日目の14日には幕内の黒海と臥牙丸が都内飲食店で朝まで痛飲し、店のガラスを割る騒ぎを起こしたばかり。これを受け、この日行われた部屋持ち親方が集まる師匠会では力士らの私生活の管理徹底が通達された。不祥事からの完全脱却を目指す相撲協会だが、新年早々に泥酔騒動2連発では信頼回復への道はまだまだ険しそうだ。

 ◆玉鷲 一朗(たまわし・いちろう=本名バトジャルガル・ムンフオリギル)1984年11月16日、モンゴル・ウランバートル市生まれの26歳。片男波部屋所属。04年初場所で初土俵を踏み、08年初場所で新十両。幕内には同年秋場所に昇進した。最高位の西前頭3枚目に躍進した今年の初場所は5勝10敗だった。1メートル89、159キロ。

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2011年1月28日のニュース