協会が大絶賛…稀勢の里、さあ大関獲り!

[ 2011年1月24日 06:00 ]

厳しい立合いから一気に日馬冨士を押し出す稀勢の里

大相撲初場所千秋楽

(1月23日 東京・両国国技館)
 日本人大関誕生の気運が高まってきた。関脇・稀勢の里は大関・日馬富士を押し出し、関脇で初めての10勝を挙げた。2場所連続で横綱を撃破しての2桁勝利で、大関獲りの足場を固めた。春場所(3月13日初日、大阪府立体育会館)の成績次第では、場所後に大関昇進となる可能性も出てきた。優勝を決めていた横綱・白鵬は大関・魁皇を送り出し、第3子となる次女誕生を自ら祝った。
【取組結果


 圧倒した。稀勢の里は日馬富士の当たりを受けると左の突き、右のどわで土俵際へ吹き飛ばした。素早く前に出て押し出し。これまで11勝18敗と分が悪かった大関を全く寄せ付けなかった。

 「立ち合いに集中してうまく攻められた。会心の相撲?まあ、前に出る気持ちでね」。満足そうに口元を緩めた。

 2場所連続で横綱を撃破しての2桁勝利。協会幹部も称賛の言葉を惜しまない。放駒理事長(元大関・魁傑)は「若い力士が出てくるのはいいこと。来場所も注目している」と評価した。大関獲りは三役で3場所合計33勝が目安。稀勢の里は昨年九州場所が東前頭筆頭で10勝だったが、同理事長は「今場所が起点」という見解だ。過去には元大関・朝潮(現高砂親方)や北尾(のちの横綱・双羽黒)は起点場所が平幕だった例がある。貴乃花審判部長(元横綱貴乃花)は一歩踏み込み「春場所を怒とうの勢いで前半から引っ張り、優勝もしくは準優勝すれば自然と大関獲りの話題になるでしょう」と話した。

 高いハードルに違いないが、現在の充実ぶりなら十分に可能と言える。稀勢の里自身も「(10勝でも)まだまだ。土俵際の逆転(された相撲)もあったし弱い部分がある。どの相手でも、しっかり自分の相撲を取れるようにしたい。まだいける」と伸びしろがあると感じている。課題と認識する取りこぼしをなくし、さらに勝ち星を伸ばす意気込みだ。

 番付の上位にズラリと外国人力士が並ぶ中、日本人大関誕生の大きな期待を背負う。「休んでいる時間はない。もう勝負は始まっている」。激闘の場所を終えてもひと息つく間もなく、一層の精進を口にした。

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2011年1月24日のニュース