“有終の美”飾る!三洋電機、初V王手!

[ 2011年1月24日 06:00 ]

<三洋電機・トヨタ自動車>後半、相手陣内に突進する三洋・山田(中央)

トップリーグプレーオフ準決勝 三洋電機32―10トヨタ自動車

(秩父宮ラグビー場)
 三洋電機が初優勝に王手をかけた。3季連続準優勝の三洋電機(リーグ戦2位)はトヨタ自動車(同3位)に32―10と快勝し、4季連続で決勝進出。30日の決勝(秩父宮)は3季前の決勝で敗れたサントリーと対戦する。三洋電機は4月にパナソニックの完全子会社となることに伴い、今季が「SANYO」で戦うラストシーズンとなる可能性が高い。今季チーム最多14トライのWTB山田章仁(25)は初制覇で“有終の美”を飾ることを誓った。

 今季開幕前にホンダから加入した山田が三洋電機を決勝に導いた。11―7で迎えた後半17分だ。自陣でトヨタ自動車WTB水野にタックルすると、こぼれ球を敵陣へキック。チェイスしてCTBノートンナイトからもらったパスを再び蹴ると、自らボールを拾い上げてインゴールに飛び込んだ。日本代表のジョン・カーワンHC(46)が観戦する前で初の代表入りをアピールした11番は「いいところでトライが取れた。チームの勝利に貢献できてよかったです」と自慢の長髪をなびかせた。

 10日のリーグ戦最終節に21―22で敗れたトヨタに雪辱した。2週間前の対戦でほころびを見せたリーグ最少失点を誇るディフェンスを再整備。慶大、ホンダ時代は守備面で淡泊だった山田も猛タックルで後半17分に日本代表WTB遠藤をタッチに追い出し、同32分には同代表No・8菊谷からターンオーバーしてみせた。アタックばかりで注目されていた山田は「三洋ではタックルをしないと試合に出られない。ディフェンスが好きになった」とチームの強さが鉄壁の守備にあることを強調した。

 三洋電機が4月にパナソニックの完全子会社となるため、「SANYO」のチーム名で戦うのは今季が最後になる可能性が高い。山田は「ここにいるメンバーが来年いるか分からない。全部員48人一丸となって戦いたい。三洋電機の社員の思いを背負ってやる」と誓った。決勝は全国社会人大会も含めて1分け11敗と未勝利。次戦は三洋電機の佐野精一郎社長(58)とパナソニックの大坪文雄社長(65)も観戦予定。「決勝で3トライ取って優勝したい」と言う山田がチーム最後の年に負の歴史を終わらせる。

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