世界トップ10の厚い壁…錦織16強ならず

[ 2011年1月22日 06:00 ]

メディカルタイムアウトをとりマッサージを受ける錦織

全豪オープンテニス第5日

(1月21日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 男子シングルス3回戦で世界ランキング82位の錦織圭(21=ソニー)が同9位で第9シードのフェルナンド・ベルダスコ(27=スペイン)にストレート負けした。4大大会では昨年の全米に続く3回戦敗退で、08年全米以来の16強進出を逃した。女子ダブルスの森田あゆみ(20=キヤノン)リガ・デクメイエレ(27=ラトビア)組とクルム伊達公子(40=エステティックTBC)張帥(チョウスイ)(22=中国)組はともに2回戦で敗れた。

 錦織は目の前のベルダスコよりも見えない敵と戦っていた。会場の準センターコートには1万人の観客があふれた。試合前に腹痛を起こすほど緊張していた錦織は「あれほど大きなコートで試合をするのは久しぶりで雰囲気にのまれてしまった」。1回戦で世界58位のフォニーニ、2回戦で同36位のマイヤーを破った勢いはなくなっていた。

 世界9位で2年前に4強入りした強豪から世界の厳しさを思い知らされる。いきなり3ゲームを連取された。破壊力抜群のフォアで右に左に振られた。特にダウン・ザ・ラインへの強烈なショットには手が出せなかった。右臀部(でんぶ)を痛めて第1セット終了後に治療を受ける場面もあった。1セットも取れず敗戦。世界トップ10の壁は厚かった。

 ウイナーの数は錦織の15本に対してベルダスコは倍以上の36本。実力差は明らかだった。「トップ10との力の差を感じた。ショックは大きい。自分にはまだ足りないところがあるんだなと痛感した。もっとやらないといけないという悔しさがある」。今大会は格上に勝って自信を膨らませたが、最後は世界9位に完敗。現実を直視し、ここからはい上がるつもりだ。

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2011年1月22日のニュース