みそぎの快進撃!イケメン隠岐の海V残った

[ 2011年1月22日 06:00 ]

隠岐の海が白馬(左)を押しだしで破り2敗をキープする

大相撲初場所13日目

(1月21日 東京・両国国技館)
 優勝戦線首位の横綱・白鵬を1差で追う平幕の隠岐の海は、白馬を押し出して自身最多の9連勝で11勝目を挙げて2敗を守った。白鵬が敗れない限り優勝の可能性はないものの、島根・隠岐の島出身では初の幕内力士が終盤戦の主役に躍り出た。白鵬は大関・琴欧洲を寄り切り1敗を堅持。14日目に隠岐の海が負け、自身が勝てば史上3人目の6連覇が決まる。3敗は琴奨菊1人となった。

 角界屈指のイケメンが無心で踏ん張った。立ち合いで白馬得意の左四つに持ち込まれ、下手投げで前のめりになった。隠岐の海は体勢を崩しながら右上手をガッチリつかんで左足に力を込めて耐えた。すると下手がすっぽ抜けた相手は後ろ向きに。勝機は逃さない。素早く寄って押し出した。

 「(相手は)変化が多いし、立ち合いで見てしまった。速く攻められてよかった。15日間は長い。前半戦と同じような相撲を取れればいいけど、まだ甘い」。11勝も9連勝も自己記録を更新中だが、反省の言葉が口をつく。師匠の八角親方(元横綱・北勝海)に口酸っぱく言われる「前に出る相撲」を実践できないからだ。2敗を守り優勝戦線で横綱を1差で追う立場にも「実感はない」と言う。

 みそぎの快進撃だ。昨年は賭博関与で謹慎処分を受け、名古屋場所を全休。「相撲で頑張るしかない」と心に誓い、同場所中は部屋の建物から一歩も出ず稽古だけの毎日を過ごした。成果はすぐ表れた。東十両8枚目から出直した秋場所は10勝5敗。幕内復帰した九州場所は8勝7敗。今場所の活躍で春場所では昨年夏場所の西前頭10枚目を上回る自己最高位になるのは間違いない。

 苦しい時も変わらない声援をくれた故郷の人たちに晴れ姿を見せたい。今年7月の名古屋場所後に八角部屋が、出身地・隠岐の島で約1週間の合宿を張る計画がある。昨年実施予定だったが、賭博問題の影響で頓挫。郷土力士後援会事務局の奥谷寿久さん(70)は「今年は何としても実現させたい」と話す。出世を果たし凱旋できれば何よりの恩返しとなる。

 14日目は関脇・稀勢の里に挑む。これまでは幕内前半の取組ばかりで「(後ろから4番目だと)何時ぐらいですかね」と周囲に確認していた。初々しい挑戦者が終盤戦を盛り上げる。

続きを表示

2011年1月22日のニュース