難敵稀勢を力強く下す 白鵬にぴたり、琴欧洲

[ 2011年1月16日 20:02 ]

大相撲初場所8日目

(1月13日
両国国技館)
 203センチの琴欧洲にしかできないような力強い勝ち方だった。土俵下で見守った貴乃花審判部長(元横綱)も「今日は大関の相撲が良すぎた」と絶賛した一番。難敵の稀勢の里を一方的に寄り切り、1敗をキープした。

 琴欧洲は本来、右四つ。形は稀勢の里得意の左四つだったが、関係ない。両まわしをがっちりつかむと胸を合わせた。長身を利した攻めに、稀勢の里も腰が伸びて、力が出ない。琴欧洲はあごを相手の左肩に押しつけながら、休まず勝負をつけた。先場所の雪辱にもなり「自分の相撲を取るだけだった」と、短い言葉に充実感を込めた。

 右肩を痛めた先場所は8勝に終わるなど、3年前の夏場所の初優勝以来、賜杯に届いていない。特に最近は白鵬の独走を許し、ファンの興味をそいでいる責任も負っている。「1敗を守らないと優勝の可能性がね。(白鵬と)対戦するまで、落とさずについていきたい」と意欲を隠さない。

 全国的にこの冬一番の寒さに見舞われたこの日朝。千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋周辺にも積雪があったという。ブルガリア出身の琴欧洲は「やっと部屋にも降ってくれた。やっぱり雪を見ると、うれしくなるね。相撲も良くなってきた」。後半戦に期待を抱かせる笑顔だった。

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2011年1月16日のニュース