代表復帰 頭を下げた元シンクロ中心選手「やらせてください」

[ 2011年1月11日 08:50 ]

シンクロナイズドスイミングの日本代表選考会で演技する酒井麻里子

 昨夏に一度は競技を離れ、広州アジア大会も辞退したシンクロナイズドスイミングの2009年世界選手権代表、酒井麻里子(東京シンクロク)が昨年12月の選考会で3位となって日本代表に復帰した。「挑戦者として向かっていきたい」。水中からすらりと浮き出る高さのある足技が武器の日大2年生は、再出発に気持ちを高めている。

 厳しい練習に精神面が付いていかず、競技を離れたのが昨年6月。淡々と大学に通う日々で気付いた。「水に入らない自分なんて自分じゃない」。約3カ月間のブランクを経て練習を再開。「今はやらされるのではなく、やりたいという気持ちを大切にしている」と姿勢が変わった。

 中心選手だった酒井が突然離脱し、日本は9月のワールドカップ(W杯)、11月のアジア大会と厳しい戦いを続けた。復帰にあたって、日本水連の本間三和子シンクロ委員長は「周りにもう一度認めてもらわないといけない。中途半端な覚悟なら戻って来られない」と言葉をぶつけた。それでも酒井は頭を下げた。「やらせてください」

 東京シンクロクの花牟礼雅美コーチは「ブランクで筋肉の持久力が落ちている」と現状を分析するが「天性の能力がある。もっと突き抜けられる」と期待する。ことし最大の大会はロンドン五輪出場権が懸かる7月の世界選手権(上海=中国)。「シンクロが好きという気持ち」を強く胸に刻んで、20歳はチームのために必死で泳ぐ決意を固めた。

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2011年1月11日のニュース