東九州龍谷V!「超最高バレー」で3冠阻止

[ 2011年1月10日 06:00 ]

優勝し、笑顔で記念写真に納まる東九州龍谷の選手たち

 バレーボール全日本高校選手権最終日は9日、東京体育館で行われ、女子決勝で昨年まで全国選抜優勝大会を3連覇していた東九州龍谷(大分)が、今季の総体、国体を制した古川学園(宮城)を3―1で下して優勝した。男子決勝では東亜学園(東京)が鎮西(熊本)をフルセットの末に下した。今大会は、例年3月に行われていた全国高校選抜優勝大会に代わる大会として誕生。優勝回数は同選手権を兼ねていた09年までの総体の記録を引き継ぐため、東九州龍谷は5度目、東亜学園は4度目の優勝となる。

 東九州龍谷が、3冠を狙った古川学園の夢をあっさりと打ち砕いた。第1セットこそ落としたものの、第2セットからは相手のスパイクを次々と止めて、リズムを取り戻して3セット連取。10月の国体決勝で敗れた相手にリベンジした。両チーム最多の26得点をマークした2年生エースの鍋谷は「今季は総体、国体で負けていたので、3年生のために勝ちたかった」と歓喜の涙を流した。

 09年の全日本選手権でVリーグ勢を破って3位となった強豪も、今のチームには1メートル80を超える大型選手はいない。昨年8月の総体では準決勝で鹿児島女子に敗れて3位に沈んだ。だが、今季は大会スケジュールが変更となり、それがプラスに作用した。

 従来、3年生は国体で引退だったが、1月の今大会まで出場が可能になり、相原監督は「うちにとってはラッキーだった。緻密さを追求できた」という。チームを熟成する時間ができたことで、持ち味である速いトス回しからの高速バレーに、バックアタック、時間差攻撃を絡めた緩急のついたコンビバレーが完成。サイズに勝る古川学園を翻ろうし、相原監督は「これが女子バレーの楽しさ。1+1がなんぼにもなることを証明できた」と笑顔を見せた。

 村田主将は「最高ではなく、超最高を求めた結果」と胸を張り、進化した新スタイルを「超最高バレー」と命名した。

 <女子・古川学園、無念の“4連敗”>前身の全国選抜優勝大会から4年連続同一カードとなった決勝で東九州龍谷に“4連敗”し、3冠はならなかった。1メートル82のアタッカーで、大野ツインズの姉・果歩(3年)はスパイク28本中成功3本で「私が決めきれなかった」と悔し泣きした。卒業後は果歩は東レ、1メートル81のセンター、妹・果奈はNECへ進む。姉妹で最後の試合を飾ることはできなかったが、果奈は「果歩が一番支えてくれた。ここまで来られてよかった」と姉をねぎらった。

 <男子・東亜学園「ミラクル」起きた>最終セット1―5の劣勢から逆転した。立役者は3年生のセッター山本。自らスパイクを決めて反撃ののろしを上げると、「最後は自分の力で勝ちたかった」と思い切りのいいジャンプサーブで8連続得点し、一気に突き放した。昨春の選抜大会、夏の総体はいずれも競り負けてベスト8。4戦連続フルセットの接戦を制して頂点に立ち、小磯監督は「ミラクルが起きた。最後は3年生の強い思いですね」と選手たちを称えた。

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2011年1月10日のニュース