100分の9秒差2位…5分後、日本歓喜の「金」

[ 2010年11月19日 06:00 ]

中国チームが失格となったため優勝が決まり、喜ぶ日本チームの(左から)藤井、立石、入江

 【広州アジア大会】競泳男子400メートルメドレーリレーで、日本が大どんでん返しで5連覇した。レース直後の電光掲示板の表示では中国に100分の9秒差の2位だったが、中国が引き継ぎ違反で失格となり、金メダルが転がり込んだ。中国との金メダル数対決では9―24の完敗に終わったが、最後に一矢を報いて、今大会3個目の金メダルを獲得した入江陵介(20=イトマンSS)は歓喜の涙を流した。

 競泳最終日の最終種目に、思いもよらぬドラマが待っていた。日本が4連覇中で、五輪2大会連続で銅メダルを獲得している得意種目の男子400メートルメドレーリレー。1秒20のリードを得てスタートした最終泳者(自由形)の原田が最後にタッチの差で中国に逆転されると、日本の選手たちはぼう然と言葉を失った。しかし、その5分後。中国の第1泳者と第2泳者の引き継ぎでフライングが発覚。中国の失格が伝えられると、入江はガッツポーズし、両手で顔を覆って泣いた。
 「自分のタイムが遅くて、自分のせいだと思って悔し涙が流れた。その後にうれし涙が流れました。最高っす。最後の最後で日本に風が吹いた」
 第1泳者として中国に1秒以上の差をつけたことが結果として大きかった。今季は右足首の故障やぜんそくに悩まされながら、100メートルと200メートルに続く今大会3個目の金メダルを獲得。何とか若きエースとしての役割を果たした。
 だが、今大会で日本に突きつけられた現実は厳しい。金メダル数は前回の16個から9個に激減。女子に至ってはゼロ。4年前同数だった中国は24個まで伸ばし、日中対決は惨敗だった。平井ヘッドコーチは「予想以上に中国は強かった。日本の今のやり方では五輪で金メダルは難しい。メダルは激減すると思う」と語り、現状ではロンドン五輪での苦戦は必至だ。
 昨季は、未認可の水着で泳いだため幻となったが、世界記録を上回る好記録を出すなど世界のトップ選手に仲間入りした入江も今季の記録は低調。平井ヘッドコーチは「金メダルの種目も中身は寂しい。五輪でメダルを狙える選手は限られている。その選手の足踏みに危機感を感じる」と厳しい口調だ。アジア大会の3冠で喜んではいられない。指揮官は若きエースに来季の奮起を期待した。

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