82歳は明治以降の横綱で史上2番目の長寿記録

[ 2010年9月2日 06:00 ]

横綱時代の初代若乃花

 82歳で死去した花田氏は、歴代横綱では明治中期に綱を張り83歳で亡くなった初代・梅ケ谷に次いで2番目の長寿記録。昭和以降に横綱に昇進した力士は80歳まで生きた鏡里を除けばおおむね50~60代で生涯を終えている。

 不滅の69連勝を誇る双葉山は56歳、花田氏と「栃若時代」を築いた栃錦は64歳。玉錦、玉の海と現役中に他界した悲劇もあった。存命の歴代横綱で最年長は栃ノ海の花田茂広氏と、佐田の山の市川晋松氏の72歳。大鵬の納谷幸喜氏が70歳、北の富士の竹沢勝昭氏が68歳で続いている。

 ▼放駒理事長(元大関・魁傑) とても残念です。子供のころ、若乃花ファンで、現役時代は精神面でいろいろアドバイスされました。一番の思い出は弟子の大乃国の成績が悪い時に“しっかり稽古を見て、2人で立て直せ”と叱咤(しった)されたこと。自分のことよりも心配してくれたのが、印象に残っています。
 ▼間垣親方(元横綱・2代目若乃花)42年前に中学校の職員室に(スカウトに)来てくれたのが思い出される。(師匠として)とにかく厳しかった。最後に会ったのは2年前の正月かな。その時“協会のために一生懸命頑張れ”と言われてうれしかった。今(自分は体調を崩し)協会のために頑張れる状態ではない。申し訳ないと思う。
 ▼松ケ根親方(元大関・若嶋津)素質がなかった私がここまでこられたのは師匠のおかげ。とても厳しく、退職されてからも師匠の顔を見ると体が硬くなった。
 ▼納谷幸喜氏(元横綱・大鵬)いつかは、と思っていても、わびしいというか、惜しい人を亡くした。関脇の頃まではよく稽古をつけてもらい、新入幕の時(の稽古で)は小手投げで鎖骨にひびが入った。雲の上から相撲協会が良くなるように見守っていただきたい。
 ▼花田勝(元横綱・三代目若乃花)偉大な若乃花という名を継がせていただいた身として本当に残念です。花田家の相撲人生はまさに初代若乃花から始まりました。伯父がいたからこそ、父をはじめ私たちは相撲で頑張ることができました。父と「兄弟」であって、「師匠と弟子」という大変厳しく、そしてつらい関係を全うした強い心を持った方でした。謹んで、ご冥福をお祈り申し上げます。

 ▼花籠親方(元関脇・太寿山)あったかい人だった。怖くて怖くて、優しい師匠でした。穏やかな顔で眠られていた。
 ▼輪島大士氏(元横綱・輪島)05年の貴ノ花の葬儀でお会いしたのが最後でした。花籠部屋の兄弟子にあたる方で、あこがれの人。横綱土俵入りも教わったし、尊敬していました。

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2010年9月2日のニュース