上井ホールインワン2発!同組遼くん「鳥肌たった」

[ 2010年8月29日 06:00 ]

<VanaH杯KBCオーガスタ・3日目>8番、ティーショットを放ちホールインワンを達成した上井はS・K・ホと笑顔でタッチを交わす

 遼くんもびっくりのエース連発だ。男子ゴルフツアーVanaH杯KBCオーガスタ第3日は28日、福岡県糸島市の芥屋ゴルフ倶楽部(7146ヤード、パー72)で行われ、シード2年目の上井邦浩(27=三好CC)が初日に続き8番パー3(165ヤード)で2度目のホールインワンを達成。同一選手による同一大会、同一ホールでのエースは記録の残る85年以降では史上初の快挙。67をマークし、ツアー初優勝に向け通算17アンダーで単独首位に立った。首位スタートの石川遼(18=パナソニック)は70で回り、通算15アンダーで2打差の5位に後退した。

【第3R成績


 27年間で1度もなかった出来事が、1週間のうちに2回も起きた。2日前に人生初めてのホールインワンを決めたと思ったら、立て続けにまたもや入った。上井自身が「帰りの飛行機、落ちないですかねえ」と心配してしまうほどだ。

 石川、S・K・ホ(韓国)との最終組で迎えた165ヤードの8番パー3。先に打った石川がグリーン奥のラフに外したのを見て、8番アイアンで軽めに狙った。感触は良くなかったが、ボールはピン方向へ。手前8メートルに落ちたボールはトーン、トンと2回弾み、そのままカップの中に消えた。大ギャラリーからは拍手喝采。「同伴競技者として素直にうれしかった。鳥肌が立ちました」と驚いた石川ともハイタッチを交わした。上井は「きょうは歓声とか盛り上がりが凄くて、ホールインワンっていう感じがした」と2日前とは違う喜びを感じていた。

 初日のホールインワンは同じ8番パー3、7番アイアンで同じように2バウンドしてカップインした。生涯初のエースだったが見届けたギャラリーは少なく、拍手もパラパラ。「人生初の割にはあっけなく、ギャラリーも少なく、盛り上がりもイマイチだった」。しかし、それもこの日の大歓声で帳消しとなった。

 阪神・久保康生投手コーチの娘婿。双子プロとして注目を集める久保啓子・宣子は義妹になる。自身も中学で野球に打ち込むなど体格に恵まれ、飛距離は十分。名商大では池田勇太らと日本代表として世界アマにも出場したが、プロでは優勝に縁がなかった。しかし、この日は首位に並んだホールインワンで「気楽になった」とティーショットが大曲がりする苦しいプレーから抜け出し、後半も着実にスコアを伸ばした。15番のバーディーで石川をかわし、最後は単独首位に立った。

 ホールインワン賞の30万円以上に大事な初優勝の大チャンス。最終日を単独首位で迎えるのは初めてだが、最終日最終組は5位に終わった5月の中日クラウンズに続いて3回目。「あの時は勝てると思って気持ちが先走り過ぎてた。今はゆとりがあるし、そういう気持ちであしたも回れるように心がけたい」。中日クラウンズで逆転優勝した石川からは「1週間で2回もホールインワンなんて勝つんじゃないですか?」とおだてられつつも「それを止められるように僕も頑張りますよ」と“宣戦布告”された。バーディーを奪い合う混戦模様のV争い。エース連発の上井に運気は味方している。

 ◆上井 邦浩(かみい・くにひろ)1982年(昭57)10月28日、大阪府狭山市生まれの27歳。15歳からゴルフを始め、四天王寺羽曳野高から名商大へ。02年中部アマ優勝。05年にプロ転向し、08年に初めてシード権を獲得。最高位は08年コカ・コーラ東海クラシックの4位。妻・友香理さんの父が阪神・久保康生投手コーチ。得意クラブは1W。1メートル80、78キロ。

 ▼久保宣子 ホールインワンは凄いですね。一緒にオフにトレーニングもしたし、最後まで突っ走ってほしいです。でも、上井さんが良い時は今年の中日クラウンズとか、いつも遼君が上位にいるんですよねえ。早く優勝してほしい。(義理の妹)

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