貴乃花親方 現状打開に「相撲普及」がキーワード

[ 2010年8月26日 18:26 ]

 日本相撲協会が20日に決めた新体制の担務で、要職の審判部長に抜てきされた元横綱の貴乃花親方が26日、不祥事が続く現状の打開策に「相撲普及」をキーワードに掲げて「日本中に土俵を作り、相撲を教えることで子どもの心身の健康増進に寄与したい」と訴えた。

 同日、貴乃花部屋の朝げいこを見学した相撲協会の第三者機関「ガバナンス(統治)の整備に関する独立委員会」の渡辺美樹委員が「相撲道の普及こそが公益性の追究」と発言したことに呼応した。同親方は「子どもたちと交流することで力士の肌の美しさ、鍛錬の尊さを知ってもらえる。それによって(新弟子が)相撲界に入ってきてくれる」と話した。
 貴乃花親方は、25日に部屋のイベントで後援会メンバーの子どもたちと相撲を取った。角界は野球賭博問題などの騒動に揺れるが、相撲と接する機会を提供することが失地回復の手掛かりと認識している。「相撲は分かりやすい競技で、相撲界は本当はいい社会。触れ合うことを大事にし、不祥事があったら、そういうことをすぐに説明したい」と熱弁を振るった。
 9月の秋場所からは38歳の若き審判部長として、勝負に目を光らせる。「これからは現役力士の人生が懸かった一番を何百番も見なくてはいけない。目を凝らしていきます」。改革派と呼ばれる貴乃花親方は、土俵と誠実に向き合うことが、再建への第一歩と信じている。

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2010年8月26日のニュース