今季最高あっさり更新 力戻った北島 唯一の8秒台/

[ 2010年8月22日 17:38 ]

競泳パンパシフィック選手権の男子200メートル平泳ぎで優勝、100メートルとの2冠に輝き声援に応える北島康介

 【パンパシフィック選手権】誰よりも大きなストロークで、滑らかに力強く進んだ。男子200メートル平泳ぎで北島が五輪2大会連続2冠の王者の風格を見せつけた。ジュルタ(ハンガリー)が欧州選手権でマークした今季世界最高をあっさり更新。一度もトップを譲らなかった27歳は「高いレベルで泳げたのはすごく自信になった」とうなずいた。

 腕のかきとキックが鮮やかに連動した。50メートルの通過は2年前に2分7秒51の日本記録(当時世界新)を樹立した時のペースを上回る28秒87。これだけ飛ばしても、4位に終わった4月の日本選手権とは違い、後半もペースが落ちない。地力がついてきた証しだろう。「最後は少し体が浮いた」と言うが、ただ一人2分8秒台で泳ぎ切った。
 五輪後に約1年間競技を離れた。今の拠点、ロサンゼルスの南カリフォルニア大でコーチから技術指導をほとんど受けていない。1人で映像を分析しながら感覚の微調整を重ねた。自費でトレーナーを日本から招き、体の手入れも怠らない。コーチとの二人三脚が常識の競泳界では異例の独り立ちに、恩師の平井コーチは「北島は本当のプロ、究極のアスリートになった」と舌を巻いた。
 昨年11月の国内復帰戦での2分14秒31から9カ月でここまできた。「もうマイナスから(のスタート)じゃない。次のことにトライしていく」。米国での新たな挑戦を見事に形にした男は、さらに先へと視線を移した。(共同)

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2010年8月22日のニュース