桃子“クリーマー流”で地元Vへ好発進

[ 2010年4月17日 06:00 ]

<西陣レディスクラシック・初日>17番、アイアンを手にする上田桃子

 女子ゴルフツアー西陣レディース第1日は16日、熊本県菊陽郡の熊本空港カントリークラブ(6473ヤード、パー72)で行われ、上田桃子(23=ソニー)が地元・熊本で今季初勝利に向け好発進した。13番で3パットのボギーを叩いた直後に“クリーマー流”のセルフコントロールで気持ちを静め、15番パー4でイーグルを奪取。今季日本ツアーでは自身初の60台となる67で回り、5アンダーで単独首位に立った。申ジエ(21=韓国)と天沼知恵子(34=太平洋クラブ)が1打差の2位につけた。

【第1R】

 14番パー4のティーショットはドライバーに決まっている。しかし、ティーグラウンドに着いても、清水キャディーは上田にクラブを渡そうとはしなかった。それは今季コンビを組む2人の約束事。ミスをした後は自分でクラブを抜く。それで気持ちをリセットする。

 上田は自分でクラブを手に取ると、気持ちを落ち着かせるように、しばらく時間を置いてから引き抜いた。ヘッドカバーも自分で外し、セットアップに入る。ティーショットはフェアウエーのど真ん中をとらえ、このホールは危なげなく2パットのパーとなった。
 「私は切り替え上手じゃないので何かアクションを起こさないといけない。それをやることで自分が怒ってるんだなと冷静にもなれる」

 11番までに4バーディーを奪いながら、直前の13番パー3でこの日初めてボギーを叩いた。8メートルから最初のパットを1・5メートルもショートすると、パーパットも外して3パットの凡ミス。「体が熱くなるぐらいカーッときました」。だが、「米ツアーでポーラ(クリーマー)がよくやっていて、私も意識するようになった」という一連の動作でイライラを静めた。

 ミスしてふてくされる悪い癖をこらえると運も転がり込んだ。15番パー4では、残り72ヤードの2打目が直接カップイン。「ちょっと当たりが薄くて弱いかなと思ったけど、意外とスピンも利いてくれた」とグリーン面の傾斜にも助けられ、幸運なイーグルとなった。

 コースから約30分の実家では家族と過ごし、ペットのトイプードルと一緒に寝て、普段以上にリラックスもできている。「もちろんこの大会は毎年勝ちたいと思ってやっている」。3年前にツアー初優勝を飾った地元の大会、再び勝利をつかむイメージはできている。

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2010年4月17日のニュース