角界リーダーとして…白鵬 自覚の連勝!

[ 2010年3月16日 06:00 ]

<大相撲春場所2日目>鶴竜(下)を豪快な上手投げで下す白鵬

 大相撲春場所2日目は15日、大阪府立体育会館で行われ、横綱・白鵬が盤石の相撲で2連勝を飾った。これまで10戦全勝の平幕・鶴竜に上手投げで完勝。育ての親の熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)によるゲキを力に変えて、場所入りを早めるなど自覚十分だ。また初日は上位陣が安泰だったが、この日は琴欧洲、琴光喜のともに佐渡ケ嶽部屋の2大関に土がついた。

 一人横綱としての自覚が、闘志むき出しの相撲となって現れた。同郷の後輩・鶴竜に対し、白鵬は立ち合いからの張り差しで得意の右四つの形をつくると、そのまま土俵際までグイグイ押して最後は豪快な上手投げ。次期大関候補にも名前が挙がる実力者をわずか4秒5で下しての2連勝にも「自分の形になったんでね」とさらりと言ってのけた。気迫十分の相撲内容に武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)も「速いね。踏み込みも良かった」と感心するばかりだ。
 育ての親・熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)の指導もあり、角界のリーダーとしての自覚も芽生えてきた。白鵬は今場所、これまでより1時間早い午後2時30分に会場入りしている。「幕内の関取衆より早いよ。いつもだったら宿舎で寝てる。本人がやる気なんじゃないか」(熊ケ谷親方)。初日前日には朝稽古を休んで熊ケ谷親方から叱責(しっせき)されたが、翌日からは心を入れ替えて毎日、付け人ら若い衆とともに汗を流している。大阪のホテルに呼び寄せて一緒に過ごしていた家族も、14日に帰宅させた。すべては横綱にとって最も重圧の懸かる“午後5時55分”の土俵で力を発揮するためだった。
 ライバル朝青龍が休場した08年九州場所以来の連日の結びを務める。「変な感じは変な感じですけどね」と違和感はぬぐえていないが、角界のリーダーとして「いい形で締めないといけない」と自らを奮い立たせている。「だいぶ、いいです。緊張というより土俵勘が、ですかね。最後の雰囲気っていうんですか」。一人横綱となって、まだ2日。しかし、重圧さえも力に変えつつある白鵬に、死角は見当たらない。

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2010年3月16日のニュース