史上4人目!“天才少年”羽生、イナバウアーで逆転V

[ 2010年3月13日 06:00 ]

フィギュアスケートの世界ジュニア選手権で優勝した15歳の羽生

 フィギュアスケートの世界ジュニア選手権は11日、オランダ・ハーグで第3日の競技を行い、男子フリーで15歳の羽生結弦(宮城ク)がトップの147・35点をマークし、合計216・10点で優勝した。SP3位だった羽生は、2度のトリプルアクセル(3A)を決めるなどして逆転に成功。日本男子の優勝は02年の高橋大輔(関大大学院)、05年の織田信成(関大)、06年の小塚崇彦(トヨタ自動車)に続いて4人目となった。

 あどけなさの残る15歳の羽生が、首位と2・60点差のSP3位から逆転し、日本男子として史上4人目の世界ジュニア制覇を成し遂げた。初出場の昨年は12位。飛躍を遂げた天才少年は「優勝もうれしいけど、やるべきことをしっかりできたことが一番うれしい」と喜んだ。
 前半、苦手とする3回転フリップで乱れたが、体力が必要となる後半に3A―2回転、3―3回転のコンビネーションを鮮やかに決めた。「フリップでミスはあったが、ほかでカバーできたので凄く満足している」。男子では珍しいイナバウアーを得意とする柔軟性や定評のある演技力でも他を圧倒し、終わってみれば2位に10点以上の大差をつける圧勝だった。
 宮城・七北田中3年で、昨年12月のジュニアGPファイナルでは小塚以来となる日本男子2人目のV。バンクーバー五輪選考会を兼ねた全日本選手権でも、フリー5位と健闘し総合6位に入った。そのバンクーバーで高橋が初めてのメダルを獲得した日本男子。14年ソチに向け、早くも超新星が飛び出した。

 ◆羽生 結弦(はにゅう・ゆずる)1994年(平6)12月7日、宮城県仙台市出身の15歳。仙台市立七北田中3年。4歳時に宮城クで競技を始める。今季はジュニアGPシリーズ2戦を制し、ジュニアGPファイナルも制覇。全国中学選手権大会3連覇も達成。08年東日本ジュニア選手権で13歳にしてトリプルアクセルを成功するなど、6種類すべての3回転ジャンプをこなす。家族は両親と姉。1メートル70、52キロ。4月から東北高へ進学予定。

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2010年3月13日のニュース