8位発進も注目度は独走!藍フィーバーでHPパンク

[ 2010年3月6日 06:00 ]

大勢のギャラリーと報道陣を引き連れて歩く宮里

 女子ゴルフツアー・ダイキン・オーキッド・レディース第1日は5日、沖縄県南城市の琉球ゴルフ倶楽部(6439ヤード パー72)で行われ、日米を股に掛けての3週連続優勝に挑む宮里藍(24=サントリー)が3バーディー、1ボギーの2アンダー、70で回り、首位と3打差の8位とまずまずのスタートを切った。3年ぶりの日本ツアー開幕戦出場に、日本女子ゴルフ協会の速報サイトが一時パンク状態になるなど“藍フィーバー”再来の活況ぶり。米ツアー開幕2連勝を飾った勢いに地元の大声援が加わり、新たな快挙に向けて突き進む。

【第1R成績


 沖縄らしい太陽と海風の下に「ピューィ!」と指笛の音が響く。集まったギャラリーは昨年初日の倍以上となる6621人。「たくさんの方が来てくれて本当にうれしかった。バーディーパットが決まると指笛が鳴って、凄くいいなと思った」と宮里は地元の雰囲気を存分に楽しんでいた。
 米ツアー開幕2連勝で迎えた凱旋試合。3番でグリーン手前のカラーから8メートルをパターでねじ込み初バーディーを奪うと、続く4番パー5でも1・5メートルを確実に沈めた。5番パー4では約90ヤードから1・2メートルにつけて3連続バーディー。大ギャラリーの胸がすくようなプレーで、前半を終えた時点で首位に並んだ。
 その頃、全国のゴルフファンはイライラを募らせていた。日本女子プロゴルフ協会のスコア速報サイトには正午から午後1時の間にアクセスが殺到。回線がパンクして、全くつながらない状態になった。宮里への注目度は、それほど高いものだった。コース内でも約30人のカメラマンが一挙手一投足を追い、テレビインタビューでは12台ものカメラがずらり。それでも本人は「メディアの方から全く注目されないよりは注目されたほうがいいと思う。私としては今のこの状況がうれしいです」とフィーバーを冷静に受け止めた。
 06年の米ツアー参戦後、しばらくはギャラリーの少なさに戸惑うこともあった。「日本で凄くたくさんだったのに米国ではゼロ。今思えば凄く難しかった」。今では注目度の大小に関係なく集中力と平常心を保っていられるが、「ギャラリーがいてくれた方が自分のベストにプラスのパワーがある」と、声援をむしろ後押しと感じている。
 後半は気まぐれな風に苦しめられ、15番で初めてボギーも叩いた。だが、続く16番では4メートルのパーパットをねじ込んで悪い流れを断ち切った。芝目の強い高麗芝のグリーンでもパッティングの安定感は抜群で、2アンダーの8位で踏みとどまった。3週連続優勝の期待が高まる好位置。「いいスタートだった。あしたもしっかりと頑張りたい」。じっとりと汗をかく蒸し暑いラウンドを終えて、宮里はさわやかな笑みを浮かべた。

 <想定外に協会も驚き>日本女子プロゴルフ協会も、公式サイトがパンク状態となったことに驚きを隠せなかった。1日合計で800万~900万アクセスには耐えられるというが、今回のような短時間集中型のアクセスは想定外。サーバーは無事でも回線使用率が100%となったため、サイトの閲覧ができなくなったという。正午から午後1時と言えば多くの会社では昼休みの時間帯で、アクセスが殺到したとみられる。関係者は「こんなことは初めてです。対策を検討します」と複雑な表情。午後1時すぎにはアクセスが緩和されたことで問題は解消され、公式サイトのトップページにおわび文が掲載された。
 女子ツアーでは初めての事態だったが、男子ツアーでは07年4月の東建ホームメイトカップ3日目に、日本ゴルフツアー機構の公式サイトがサーバーダウンしたことがある。この時はプロ1年目だった石川遼が優勝争いをしており、ラウンド途中でテレビ中継が終了。スコア速報ページに約200万件のアクセスが集中し、復旧までに1時間半かかった。ツアー関係者はサーバーを増やす態勢を取っていたが、遼フィーバーは想像以上。今回の藍フィーバーも予想を超えるものだった。

 ◆藍フィーバーめも
 ☆ギャラリー数 6621人は昨年初日の3194人から倍増。今大会初日としては歴代2番目で、前回宮里が出場した07年が6974人で過去最多。
 ☆増員 宮里の組に普段は1人だけの大会運営スタッフが2人つき、ギャラリー整理員は5人から10人に倍増。プレス担当スタッフも急きょ1人配置された。
 ☆渋滞 スタート時間帯には那覇の中心部からコースまでの約15キロの道が渋滞。普段は30分のところ、約1時間かかった。
 ☆メディア 昨年よりも約1割多い175人が登録。普段はゴルフを扱わないテレビの情報番組や週刊誌なども取材に訪れた。

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2010年3月6日のニュース