角界に歴史的な一日…看板力士去り、新体制始動

[ 2010年2月4日 21:52 ]

 今回の暴行問題だけでなく、これまでも数々の騒動やトラブルを繰り返してきた横綱朝青龍が、ついに土俵を去った。一方で角界改革を目指す貴乃花新理事ら新体制が本格的にスタート。角界には歴史的な一日となった。

 暴行問題を起こしたとされる初場所でも、朝青龍は14日目に早くも優勝を決めた。品格や立ち居振る舞いを問う声は絶えなかったが、そのキャラクターは良くも悪くも人々をひきつけた。横綱審議委員会の鶴田卓彦委員長は「人気は抜群だった。観客は3割減ると思う」と指摘し、何度も対戦した玉ノ井親方(元大関栃東)は「興行的に痛すぎる。大きな宝をなくしてしまった」と嘆く。
 一方、対抗できる若手力士の不在も、朝青龍に優勝25回などの“独走”を許した一因だった。横審の鶴田委員長は「もっと日本人を厳しく鍛えないと。相撲界も厳しい道をしばらく歩かなければいけないと思う」。日本人ホープとして期待され続けている幕内稀勢の里は「これからは自分たちが盛り上げていきたい、という気持ちはもちろんある」と自覚している。
 そんなタイミングで、角界改革の旗手として期待される貴乃花親方が新理事に就任。閉鎖的とも言われた慣例にとらわれず、一門の枠を飛び出してまで理事選挙に立候補した行動には世間も大きな関心を寄せた。監察委員長などの役職に任命された貴乃花親方は「土俵の充実を見守りたい。初めての職務なので、謙虚な姿勢でやっていきたい」と抱負を述べた。

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2010年2月4日のニュース