あの人はいま…元学生横綱、幕内力士、初めてやりました!

[ 2009年11月13日 07:40 ]

全国学生相撲選手権で審判長を務めた大相撲・元幕内藤ノ川の服部祐児さん

 アマチュア横綱、学生横綱に2度ずつ輝いた大相撲の元幕内藤ノ川、服部祐児さんといえば、相撲ファンの間では懐かしい名前だろう。その服部さんが7、8日に大阪府の堺市大浜相撲場で行われた全国学生相撲選手権で初の審判長を務めた。

 2002年から愛知県の東海学園大で自ら創設した相撲部の監督をしている服部さん。大相撲の関取経験者が全国レベルの大会で審判長を務めるのは初めてのことだ。土俵下に座って大学生たちの勝負に目を光らせ「相撲という道を志している子どもたちのためになるなら、本当にありがたい仕事です」と神妙に話す。
 同志社大から伊勢ノ海部屋へ入門し、1983年春場所で幕下付け出しでデビューした当時は“アマ相撲史上最強”と騒がれた。193センチ、150キロの大きな体だったが慢性的な腰痛に悩まされ、26歳の若さで引退。幕内在位11場所で三役にも上がれなかった。
 そんな無念の思いを晴らすべく、引退後の活動は精力的。フランスの日本人学校で1年半も社会科の教師をしたり、筑波大大学院でコーチ学を勉強した。そしてたどり着いた仕事が相撲の指導者。「自分はけがでつらい思いをしたので、それを何かの形で伝えたい。学生たちの可能性をどれだけ広げてやれるかが大事ですね」と口調は熱い。
 「最後は土俵に帰ってきたという感じ。スポットライトを浴びる立場にもいたけど、縁の下で支える仕事は勉強になりますよ」と話す。来年8月で50歳になる服部さん。第二の人生も土俵にささげる決意だ。

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2009年11月13日のニュース