逆転Vへ中嶋5差後退も絶口調

[ 2009年9月20日 06:00 ]

<ANAオープン3日目>「さあこい!谷口!」ホールアウトし握手を求める首位の谷口徹(右)に向かいファイティングポーズをとる中嶋常幸

 男子ゴルフツアーのANAオープン第3日は19日、北海道北広島市の札幌ゴルフ倶楽部輪厚コース(7063ヤード、パー72)で行われ、54歳の中嶋常幸(フリー)がノーボギーの69で回り、通算11アンダーで2位につけた。通算16アンダーで首位を守った谷口徹(41=フリー)には5打差をつけられているが、4度の優勝を誇る相性のいい大会でミラクル逆転劇に挑む。6位スタートの石川遼(18=パナソニック)は1バーディー、3ボギーの74で通算4アンダーの23位に後退した。

【第3R


 「遼くん風がいい?本音がいい?」
 首位との5打差について会見で聞かれた中嶋は報道陣に尋ね返した。まずは「本音で」とお願いすると、「勝手にやってくれって感じ」とダレた口調で一言。「今度は石川遼バージョンで」。にわかに背筋をピンと伸ばし「あしたも早く1打でも縮められるように精いっぱい頑張ります」とハキハキと抱負を語った。
 どちらも中嶋の本当の気持ちには違いない。絶対ではないが、決して小さくはない5打差。この日は「流れを引き込めるチャンスがなかった」と2打差で出た同組の谷口にじりじりと引き離された。それでも12、13番で連続バーディーを奪い、ノーバーディーで踏ん張ったことで、何とか逆転の可能性は残した。
 今大会は4回の優勝を誇り、昨年も2位と相性は抜群。02年大会ではジャンボが55歳で勝っており、来月20日に55歳となる中嶋も「ここは経験が生きるコース。風が体に染みこんでるから、ベテランが力を出せる」と経験を武器に逆転のチャンスをうかがう。
 前回の優勝(06年三井住友VISA太平洋マスターズ)も最終日に6打差をひっくり返した。その試合で最後まで競っていたのも谷口だった。「ゴルフは何が起きるか分からない。目の前の1打に集中して、あとは勝利の女神にお願いするだけ」。最後は自分を飾ることもなく、素直な気持ちを口に出した。

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2009年9月20日のニュース