大丈夫?朝青龍“醜態”尻もちついちゃった

[ 2009年7月4日 06:00 ]

日馬富士(左)に押し込まれて土俵を割り、しりもちをつく朝青龍

 大相撲名古屋場所(12日初日、愛知県体育館)で3場所ぶりの優勝を目指す横綱・朝青龍(28=高砂部屋)は3日、愛知・長久手町の鳴戸部屋に出向いたが、9勝7敗と精彩を欠いた。大関・日馬富士(25=伊勢ケ浜部屋)には4連敗。土俵際の投げに尻もちをつく醜態をさらした。自分より下位の力士に4連敗を喫するのは、途中休場した昨年の名古屋場所前以来。存在感が目立つのはCMなどの“副業”ばかりで、稽古不足のツケが早くも露呈した。

 横綱の強さを期待した見物客の視線にまさかの光景が飛び込んできた。夏場所で優勝を争った3人による豪華申し合い。稀勢の里の上手投げに朝青龍が横転した瞬間、周囲がざわつき始めた。これまで稀勢の里には、寄り切られることはあっても、ぶん投げられる屈辱はなかった。背中にたっぷりと土をつけた横綱は、ばつが悪そうに土俵を去ると、モンゴル語でチクショーを意味する「ビスッタ」を連呼した。
 朝青龍の「醜態」はこれだけで終わらなかった。「綱獲りの壁になる」と存在を意識していた日馬富士との申し合いでは、勢いの違いを見せつけられた。前夜は「どこに行く?」とメールで相手の動向を確認する周到ぶりだったが、主導権を握ったのはそこまで。最初の取組であっさり押し出されると、大関の重心の低い攻めに終始翻ろうされた。得意の左四つで前に出ても、相手の投げに体がふわっと浮いて土俵を割る。土俵際の投げに体が半回転し、崩れるように尻もちをつく場面もあった。最後に3連勝して何とか6勝6敗に持ち込んだが、内容では圧倒されていた。
 この日は9勝7敗も平幕・玉鷲の2勝をのぞけば、全くの五分。稽古後は苦笑いさえ浮かべ「あまり良くなかったね。今一番元気な2人だし、横綱としていい経験になった」と自ちょう気味。ふがいない内容に「(日馬富士は)凄くいいですよ。先場所とは全然違う。前は右差しても、左で差しても勝てたけど…。きょうは褒めるしかない」と相手を持ち上げるしかなかった。
 “長久手の戦い”は完全な負け戦だった。「(稽古で)負けたけど、こういう稽古も大事。緊張感のある稽古だった」と朝青龍は必死になって前を向くが、稽古不足を露呈していることは否定できない。昨年の名古屋場所前、佐渡ケ嶽部屋に出向いた朝青龍は2度にわたって琴光喜に5連敗。自身初の屈辱のショックを本番でも払しょくできず、途中休場に追い込まれた。だぶつき気味のおなか、腰高の下半身。不安材料山積の今年も嫌なムードが漂っている。

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2009年7月4日のニュース