“穴井時代”到来!初の柔道日本一に

[ 2009年4月30日 06:00 ]

<全日本柔道選手権大会>トロフィーを手に笑顔の穴井隆将

 体重無差別で柔道日本一を決める伝統の大会、柔道全日本選手権は29日、日本武道館で行われ、決勝で穴井隆将(24=天理大職)が棟田康幸(28=警視庁)に優勢勝ちし、初優勝を飾った。本来の100キロ級では昨年11月の講道館杯から4大会連続で優勝し、世界ランク1位を独走中。初の世界選手権(8月、オランダ)代表にも選出された男が“穴井時代”到来を宣言した。大会終了後には全日本柔道連盟の強化委員会が行われ、100キロ超級代表には棟田が選ばれた。

 執念としか言いようがなかった。棟田との決勝。先に有効を奪われ「ダメかな」と考えたという穴井が、ギアを上げたのは4分過ぎだった。強引な連続技と前に出る圧力で、棟田に「注意」が与えられ、残り31秒で追いつく。判定。勝利を告げる赤い旗が3本そろうと、武道館の試合場にうずくまって涙をこぼし「もう、訳が分からないっす」と柔道着の右袖で両目を何度もぬぐった。

 1メートル87、100キロの均整の取れた身体に、抜群の切れ味を誇る内股。早くから期待されながら伸び悩んだ。「きれいに勝ちたい」。こだわりの結果が、目標だった北京五輪代表の落選。しかし、落ち込む時間はなかった。五輪後、篠原信一氏が全日本男子監督に就任。天理大の愛弟子として結果が欲しい。「(同じ階級で戦っていた現プロ格闘家の)石井慧にも教えられたように思う」という勝利への執念が、逸材の身体に宿った。

 この日は初戦で泉に逆転勝ち。4回戦では背中を追ってきたはずの鈴木に開始27秒、鮮やかな背負い投げで一本勝ちした。「自分らしさと泥臭さが、両方出せた」という6試合。テレビ解説者として見届けた篠原監督は「最高の戦いだった。でも、(師匠のオレに並ぶ)3連覇はしたらアカンで」と自身の記録を引き合いに出し、後輩に無限の可能性を認めた。

 100キロ級では昨年11月の講道館杯から負け知らずで、フランス、ドイツ両大会を制し、世界ランクは堂々の1位。初の世界選手権は優勝候補筆頭として臨むことになる。「この優勝をきっかけに、強い穴井を見せていきたい。穴井時代?そう言ってもらえるように」。覚醒した24歳にはこの日、日本柔道のエースとしての自覚も生まれた。

続きを表示

「NBA」特集記事

「羽生結弦」特集記事

2009年4月30日のニュース