「人たらし」朝青龍“天敵”内館委員と和解?

[ 2009年4月30日 06:00 ]

稽古を終え、横綱審議委員会・内館委員(右)と笑顔で握手する朝青龍。中央奥は武蔵川理事長

 大相撲の横綱審議委員会による夏場所(5月10日初日)の稽古総見が29日、東京・両国国技館に約5000人のファンを集めて行われ、左ひじ痛の横綱・朝青龍(28=高砂部屋)が申し合いに参加。若手相手に8戦全勝とまずまずの動きを披露した。稽古後には“天敵”であるはずの内館牧子委員(60=脚本家)の元に歩み寄り、病状を気遣うなど役者ぶりも全開。これには同委員も「(豊臣)秀吉のような、人たらし」と最高級?の賛辞を贈った。

 まさかの光景に誰もが目を疑った。すべての稽古が終了した瞬間、西の土俵下にいた朝青龍は正面のテーブル席へ歩み寄り“天敵”内館委員に握手を求めた。子供のような笑みを浮かべる横綱は「先生、心配しましたよ。大丈夫ですか?元気になって良かったです」と語りかけながら、右手で内館委員の右手を握りしめながら相手の肩に左手を添える。館内がこの日一番の歓声と拍手に包まれる中、2人の“距離”は顔と顔が触れ合う寸前まで急接近していた。
 昨年12月に心臓の手術を受けた内館委員が横審の公務に復帰するのは昨年11月24日以来。意表を突いた歩み寄りには「久しぶりの天敵・朝青龍。思わず握手しちゃった」と苦笑い。それでも「秀吉のように“人たらし”ね」と皮肉たっぷりに表現することも忘れなかった。
 春場所中に再発させた左ひじ痛が心配された朝青龍だが、初日に対戦が予想される小結・鶴竜ら若手を寄せ付けず8戦全勝。「予定通り。無理をせずにやった。春場所は(白鵬に)全勝させてしまったし、若い新星も上がっている。しっかり(ケガを)治して臨みたい」と夏場所への意気込みも口にした。見守った内館委員は「8番のうち5番が張り差し。もっと横綱相撲を見せてほしい」と語るものの、本来の毒々しさは封印したまま。加えて「技の切れが良くて驚いた。安心した」(鶴田委員長)、「ひじが悪いように思えたが、動きは良かったんじゃないか」(沢村委員)など、普段は辛口な横審委員までも沈黙。朝青龍にとってはまさに“してやったり”の展開となった。
 豊臣秀吉は歴史上で「人たらし」の代表的人物と伝えられている。それから400年後、希代のヒール横綱が“太閤”をほうふつさせる人心掌握術を見せた。終了後には報道陣を介して「今後も辛口でお願いします」と内館委員にメッセージを送った。この男、やっぱりタダ者ではない。

 ≪内館委員 大関の相撲で「血圧が上がる」≫休養中の内館委員は病床で初場所、春場所をテレビ観戦していたという。しかし、最近の大関陣のふがいなさには失望気味で「大関の相撲を見ると血圧が上がってしまうんです。だから大関戦になるとテレビのスイッチを切ってました」と語り、周囲を笑わせた。また朝青龍が日本における永住者の在留資格を取得した件には「(まだまだ現役で)やる気なのでしょう」と分析していた。

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