史上初!男女同日アルバトロス!

[ 2009年4月25日 06:00 ]

<フジサンケイ・レディース・クラシック初日>アルバトロスを決めた3Wのクラブと賞金を手に笑顔を見せる有村智恵

 女子ゴルフツアーのフジサンケイ・レディース・クラシック第1日は24日、静岡県伊東市の川奈ホテルGC富士コース(6464ヤード、パー72)で行われ、有村智恵(21=日本ヒューレット・パッカード)が07年の上田桃子(22=ソニー)以来、女子ツアー史上9人目となるアルバトロスを記録し、7アンダーの65で単独首位に立った。なお、男子ツアーの「つるやオープン」でもデービッド・スメイル(38=フリー)がアルバトロスを決め、日本ツアー史上初の男女両ツアーでの同時達成となった。2位には5アンダーの塩崎亜美(24=フリー)がつけ、3位に横峯さくら(23=エプソン)、アマチュアの竹村真琴(18)らが続いた。

【第1R】

スメイルは苦笑い

 太平洋を見下ろす5番パー5で快挙が達成された。第1打をフェアウエー中央に運んだ有村が、第2打でスーパーショットを見せた。残り235ヤード。3W(キャロウェイXフェアウエーウッド)を振り抜くとピン手前13メートルに落ちたボールが、そこからころころとカップへと転がっていった。そして、ボールが鮮やかな緑の中に消え、ギャラリーからは大歓声が沸き起こった。「狙い通りのフェード。狙ったところに落ちたのが見えた。スコアカードに(アルバトロスの印として)3重丸を書いて実感がわきました」。スコアを3打伸ばすと一気に加速した。
 8番でもバーディーを奪うと、インコースでも止まらない。最終18番で残り140ヤードの第2打をピンまで20センチにぴたりと寄せるなどバーディーをさらに3つ重ねた。
 今季は5戦で予選落ちが1度、最高でも9位と不本意な成績が続いていた。しかし、有村は「いい所に打ってもグリーンが硬くてスコアにつながらなかっただけ。ショットは良かった」と自信を失うことはなかった。それは昨年から継続しているトレーニングがあったからだ。
 昨年はツアー初優勝を記録したが、後半は疲れから体重を5キロも落とし、不振に陥った。その反省からオフも休まず体を鍛えた。若い女性にとっては特別なクリスマスでも「予定は入れてません」とジムに通った。開幕後も毎週、火、水曜日は1時間近く時間を割き、ショットの安定に必要な股関節、体幹部を中心に強化。トレーナーから渡されたメニューを「自分に厳しくやっている」と高い意識で消化してきた。前日は発熱でプロアマ戦を欠場するアクシデントもあったが、強くなった体は1日で回復した。
 ホールアウト後、急きょ主催者の好意で用意されたアルバトロス賞の賞金10万円もゲット。最終組で回る2日目を「久々だから楽しみ」と話した。「でも最後に一番いいスコアであがるのが大事」。もちろん、見ているのはその先にある2勝目だ。

 ▼有村智恵(ありむら・ちえ)1987年(昭62)11月22日、熊本県熊本市出身の21歳。東北高では宮里藍の2年後輩、原江里菜とは同期。06年のプロテストでトップ合格。昨年はプロミス・レディースでツアー初勝利。賞金ランクは4735万4円で23位だった。1メートル59、57キロ。O型。

 ▽アルバトロス パー(規定打数)より3打少ないスコアをアルバトロス、またはダブルイーグルと呼ぶ。アルバトロスはアホウドリの英名で、海鳥の中で飛ぶ能力が最も高いことに由来しているといわれる。日本では「ホールインワンは1万ラウンドに1回出る」と言われるが、パー5を2打で届くことが最低条件となるアルバトロスは「100万ラウンドに1回」とホールインワンの100倍くらい難しいとされる。ちなみにパーより2打少ないのがイーグル(鷲)、1打少ないのがバーディー(小鳥)。

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2009年4月25日のニュース