吉田メイジ連敗発進に「悔しいな!悔しいな!」

[ 2009年4月6日 06:00 ]

試合後に選手に反省点を説明する明大・吉田監督

 今季から明大ラグビー部の監督に就任した元日本代表WTB吉田義人氏(40)が5日、横浜市のYC&ACグラウンドで行われた7人制のYC&ACセブンズで監督デビューした。1回戦はホストクラブのYC&ACに5―33、敗者戦1回戦はトップイーストの栗田工業に5―28で敗戦。監督初勝利はお預けとなったが、明大再生への強い意欲を新たにした。

 試合直後、グラウンドの裏に選手を集めると、吉田監督は1人1人の目を見ながら問い掛けた。「悔しいな!悔しいな!きょうだけにしよう…。こっからスタートしよう!」。40歳。相応のしわが顔に刻まれたが、勝利にかける情熱は明大黄金期を築いたキャプテン時代を思い起こさせた。
 7人制の神様、セレビらを含むYC&ACに力負け。トップリーグ下部のトップイースト、栗田工業にはミスからの失点で敗れた。「きょうが初めてだからね」と悔しさは隠したが、勝つつもりで臨んだ試合だった。
 新チームは2月21日に始動。すぐに部内のセレクションマッチと体力測定をして今大会の代表を選んだ。春の練習の一環となりがちな7人制大会だが、7人制の練習に専念してきた。就任約1カ月半。限られた時間にもかかわらず「テーマとしたコミュニケーションが全然できなかった」と厳しい表情で話した。
 2月19日の就任会見で「メイジの矜持(きょうじ)を取り戻す」と話した。コーチの人選も終わり、今週中に発表する。フルタイムのコーチをそろえ、学生が兼務していた総務、広報の体制も整えるなど環境整備も着々と進めてきた。「メイジのプライドを持ったコーチ陣」とともに本格的な復活への戦いが始まる。
 「勝ちたかった。勝てないメイジを預かったんだなと実感した。やりがいがありますよ」。98年を最後に対抗戦優勝から遠ざかり、昨季は24年ぶりに大学選手権出場を逃した。だが思えば90年、明大・吉田主将は、圧倒的有利といわれた早明戦に敗戦後、見事にチームを立て直して大学日本一に導き、90年代の黄金時代の礎を築いた。吉田メイジの再建の道も、敗北から始まった。

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2009年4月6日のニュース