東芝・ロアマヌ、大麻摂取否定も陽性反応

[ 2009年2月6日 06:00 ]

ロアマヌの大麻陽性反応を受け、頭を下げる和田監督代行(右)と広瀬俊朗主将

 スポーツ界を揺るがす大麻問題が社会人ラグビーにも及んだ。トップリーグの東芝は5日、トンガ出身の日本代表WTBクリスチャン・ロアマヌ(22)から、1月のドーピング検査で大麻に含まれる化学物質「カンナビノイド」が検出されたと発表した。同選手は暫定資格停止処分を受け、8日のプレーオフ・マイクロソフト杯決勝(秩父宮)は出場停止。予備検体の再検査で陽性反応を示せば、チームは日本選手権を辞退すると表明した。

 2季ぶりの優勝を目指す東芝に、またも不祥事が発覚した。1月5日にヴィヴィリ・イオンギ元選手(24=退部)の窃盗容疑による逮捕が発覚してから1カ月。今度は同じトンガ出身のロアマヌが大麻に含まれる化学物質に陽性反応を示した。
 陽性反応を示したのは1月12日のサントリー戦後のドーピング検査。イオンギ元選手の逮捕後初の試合に東芝は61―5で大勝したが、日本アンチドーピング機構(JADA)が実施した尿検査でA検体から禁止薬物カンナビノイドが検出された。JADAから3日に資格停止通知を受けたロアマヌは、事情聴取で大麻摂取について「身に覚えがない」と否定。現在は自宅謹慎しており、ショックを受けているという。警視庁は5日夜、大麻取締法違反の容疑で、東京・府中市のロアマヌの自宅と東芝のクラブハウスを家宅捜索したが、大麻などは見つからず押収物はなかった。
 ロアマヌは05年に史上最年少の18歳11カ月で日本代表キャップを獲得し、07年W杯フランス大会にも出場。埼玉工大を中退して東芝入りした今季はトライ王に輝き、8日の三洋電機との決勝でも活躍が期待されていた。チームでは入部を決めた昨年10月、弁護士と通訳を交えて禁止薬物など生活面について指導したが、本人は六本木の繁華街に頻繁に姿を見せていたという。
 ロアマヌは予備のB検体での再検査を依頼。来週にも判明する結果で陽性反応が認められ違反が確定すれば、チームは日本選手権(22日の準決勝から登場)を辞退する。決勝で勝った後に違反が確定した場合について、座古副部長は「事実が決まった時点ではっきりさせる」と話すにとどまっており、タイトル返上の可能性もある。管理責任を問われる事態は、ラグビー部の存続にかかわる問題にも発展しかねない。

 ◆クリスチャン・ロアマヌ 1986年5月13日、トンガ生まれ。10歳からラグビーを始める。埼玉・正智深谷高にラグビー留学。05年に埼玉工大に進学し、同年4月16日のウルグアイ戦で18歳11カ月3日で史上最年少初キャップを獲得。同年5月に都内でイオンギ元選手とともに女子プロレスラーにケガをさせて逮捕された。1メートル88、108キロ。日本代表キャップ16。血液型AB。

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2009年2月6日のニュース