泥沼の新大関ホッ 日馬富士がようやく初白星

[ 2009年1月16日 06:00 ]

日馬富士は、今場所初白星に笑顔でVサイン

 大相撲初場所は15日、東京・両国国技館で5日目を行い、日馬富士(はるまふじ)が、琴奨菊を寄り切りで下して連敗を4で止めた。昭和以降の新大関ではワースト記録となる初日からの4連敗を喫していたが、泥沼のトンネルを脱して再スタートのきっかけをつかんだ。4連覇を目指す白鵬、朝青龍の2横綱と関脇・把瑠都、平幕の栃煌山が全勝を守った。

 打ち出し後の国技館の地下駐車場。迎えの車に乗り込む直前、日馬富士は自分の横を通り過ぎようとした朝青龍の車にVサインを送った。
 「みんなが心配していてくれたからね…。お客さんの声援も多かったし、そういう声にお返しをしなきゃと思っていたよ。正直ホッとした気持ちです」。館内の「日馬富士コール」の後押しを受け、通算6勝13敗と苦手にしていた琴奨菊に頭から思い切り当たっていった。気迫でもろ差し十分の形に持ち込むと、そこから休まず一気に土俵の外まで走った。
 体は正直だった。この日の朝、突然38度の熱を出して病院で栄養剤の注射を受けた。「最初はインフルエンザかなと思ったけど、ストレスだったみたい。いろいろ考えて熱が出たようだ。4日目に負けた時はいろいろ考えた。遠いところに逃げたかったよ」
 苦しい時に支えになったのは“友人”の励ましの声だった。前夜は歌舞伎役者の中村橋之助から部屋で激励を受けた。「これをきっかけにして乗っていきたい。頑張ります」。たかが1勝、されど1勝。後半の上位との対戦を思えば油断はできないが、反撃の第一歩は確実に踏み出した。

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2009年1月16日のニュース