引退危機消えた!朝青龍 執念逆転4連勝

[ 2009年1月15日 06:00 ]

辛うじて土俵際に残り、雅山(右)を引き落としで下した朝青龍

 【大相撲初場所4日目】朝青龍が綱渡りの勝利で4連勝をマークした。立ち合いで失敗し、雅山の突進を許して土俵際に追い込まれた。強引なはたきで棒立ちになる完全な負けパターン。上体はのけぞり、右足も俵にかかっていたが、ここから勝利への執念を見せた。

 左に回り込みながら左足だけで踏ん張ると、雅山がつんのめるように突っ伏した。悔しそうに見上げる雅山。対照的に、恥ずかしそうに舌を出した横綱のしぐさが、運も味方した今場所最大のピンチを物語っていた。
 支度部屋では「ちょっと慌ててしまった。内容が悪いね」と不満そうに話したが、今場所初めて笑みもこぼれた。「(勝負後に)雅山と目が合ってね。向こうは悔しそうな顔をしていたよ。自分はニッコリした」と口調も滑らかだった。
 出番前の支度部屋で気合を注入した。テレビモニターで“弟分”日馬富士の敗戦を確認した瞬間、「何やってんだ!」と絶叫。全身から怒りを発散して花道へ飛び出していった。怒りを土俵際の粘り腰に変え、「あと何ミリかで(土俵の外へ)出ちゃう感じ。あそこで残れるのは反応がいいから」と自画自賛した。
 綱渡りながらも、これで4連勝。“引退危機”は完全に消え、12日に来日した父ドルゴルスレンさんに次いで、母プレブバダブさんの来日も決定した。来場は、13日目か千秋楽の予定。母が来るまでは、優勝争いから脱落するわけにはいかない。

 ≪琴欧洲 危なげなく4連勝≫琴欧洲が危なげなく4連勝を決めた。豪風に低く攻められたが、右差し左上手と十分の形にして寄り切り。「落ち着いて相撲が取れている。特に何も考えず、体に任せてやってるだけだよ」と笑った。06年初場所の大関昇進以降、4日目まで全勝なのは優勝した昨年夏場所だけ。好調の要因を「巡業や場所前に、いい稽古ができたから」と分析していた。

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2009年1月15日のニュース