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こだわり旬の旅

【静岡・伊豆】漆喰が芸術に 名工「伊豆の長八」の技に感動

[ 2016年12月6日 05:30 ]

なまこ壁が美しい松崎町の町並み
Photo By スポニチ

 最後はなまこ壁の町として知られる松崎町(下田駅からバスで約50分)を訪ねた。なまこ壁とは平瓦を壁に貼り付け、目地を漆喰で海の生き物「なまこ」のように盛り上げたもので、明治時代から昭和初期まで見られた外壁の工法。同町には190棟以上残っており、昔ながらの趣をとどめている。

 この漆喰を芸術のジャンルに昇華させたのが、同町出身の通称「伊豆の長八」と呼ばれる漆喰鏝絵(こてえ)の名工・入江長八。現代左官技術の粋を集めて建設された「伊豆の長八美術館」(入館料500円)では約45点の作品が見られるほか、近くにある浄感寺の「長八記念館」では本堂内陣や天井の雲龍、漆喰細工飛天の像などの力作を展示。また、白壁になまこ壁を配した国指定重要文化財「岩科学校」(同300円)の2階「鶴の間」には、千羽鶴が青い空をバックに一斉に飛翔する姿を描いた長八の漆喰鏝絵が残されている。いずれも漆喰鏝絵とは思えない繊細なタッチで、技術の奥深さに感動。昼は「民芸茶房」で磯料理(ランチ1620円など)を味わい、短時間ながら松崎のひとときを堪能した。問い合わせは松崎町観光協会=(電)0558(42)2092。

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