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こだわり旬の旅

【静岡・伊豆】車内で景色&美味満喫 「IZU CRAILE」で大人のリゾート

[ 2016年12月6日 05:30 ]

1号車から見る駿河湾の絶景。快適です
Photo By スポニチ

 静岡県・伊豆地区にJR東日本の観光列車が登場、人気を呼んでいる。7月から小田原―伊豆急下田間を運行している「IZU CRAILE(伊豆クレイル)」で、伊豆の景色を眺めながら「食」と「酒」、「会話」を楽しもうというもの。車内ではコンサートなども行われ、居ながらにして旅気分が味わえるリゾート列車に乗って伊豆半島を訪ねた。

 東京駅から踊り子号で約1時間。小田原駅ホームには4両編成の伊豆クレイルが待っていた。桜や海風、さざ波など伊豆ゆかりのモチーフをピンクゴールドのラインで表現した外装と和モダンをベースにした内装。「クレイル」が「大人」や「成長した」の意味の伊語「cresciuto(クレッシュート)」と英語の「train(トレイン)」、「~に適した」の意味の接尾詞「ile(イル)」を組み合わせた造語で、「大人に適した列車」を意味するように、大人の優雅さを漂わせている。

 発車時刻までは改札内コンコースに設けられた専用ラウンジでひと休み。小田原は木工の産地とあって、さわやかな木の香り。ベンチは小田原名物「かまぼこ」の板を組み合わせたという。

 午前11時40分、伊豆クレイルは満員の客を乗せて出発。地形が険しくなったと思ったらすぐに海が見えてきた。東京駅まで乗り入れなかったことについてJR東日本は「伊豆クレイルは移動手段ではなく、箱根・伊豆エリアの観光の1つと考えたから」というが、まさにここが観光、旅の始まりなのだろう。

 乗ったのは先頭の1号車。座席は海側に面したカウンターの2人掛けと山側に面した対面式で、山側の席は床が一段高くなっており、全席から相模灘の景色が楽しめる。2号車はバーカウンターとラウンジで、女性アテンダントがアルコールや地元フード、お土産などを販売。3号車はグループ向けの海側に向いたコンパートメント席(半個室)、4号車は回転式の2人掛けシートが並ぶ。

 列車は小田原―熱海間の根府川付近、伊豆熱川―伊豆稲取間の東伊豆海岸線のビューポイントで徐行(上りは停車も)して景観美を満喫させてくれるが、彩りを添えるのが伊豆の食材を使用したクレイルスタイル・オータムランチセット(同アフタヌーンカフェセット)。女性に人気のフレンチレストラン「モルソー」(東京・目黒)の秋元さくらオーナーシェフが監修。伊豆クラフトビールが付くのがうれしい。

 途中、地元ミュージシャンのコンサートを楽しむなどして、伊豆急下田駅に到着したのは午後2時6分。約2時間半ののんびりした電車旅だったが、逆に記憶に残る旅でもあった。

 ▽行かれる方へ 全車グリーン車指定席の快速列車として土・日・祝日中心に運行。1、3号車は東日本のびゅう旅行商品で発売。4号車(食事無し、バーカウンター利用可)は乗車・指定席券で。3号車では下り限定で「ワイン飲み放題」も。下田駅から東海バスの定期観光バスも。問い合わせはびゅう予約センター=(電)0570(04)8928。東海バス=(電)0557(36)1112。 

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