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こだわり旬の旅

【埼玉・所沢】巨大な“岩の塊”の中は美術、文学、博物が詰まったエンタメの玉手箱

[ 2021年12月2日 20:45 ]

“岩の塊”を思わせる巨大な角川武蔵野ミュージアム。外壁には武蔵野トンビの作品も                               
Photo By スポニチ

 JR武蔵野線東所沢駅から徒歩10分。川沿いに巨大な“岩の塊”ような物体が見えてきた。「角川武蔵野ミュージアム」。昨年11月にポップカルチャーの発信拠点としてオープンした「ところざわサクラタウン」(約4万平方メートル)のランドマークとして誕生した。建築界の巨匠、隈研吾氏がデザイン。武蔵野台地から噴き出すマグマをイメージしたという高さ30メートル、2万枚の花崗岩からなる61面体の建物は、見る角度や天気によってさまざまな表情に。外壁には「コロナ時代のアマビエ」プロジェクトとして、現代美術家・鴻池朋子氏の作品「武蔵野トンビ」が設置されている。

 「美術、文学、博物を“まぜまぜ”にした」がコンセプトとあって、館内もさまざまな顔を持つ。1階はライトノベルや漫画など3万5000冊を集めた「マンガ・ラノベ図書館」と「グランドギャラリー」。ここでは来年4月10日まで「浮世絵劇場 from Paris」を開催中で、19世紀に欧州を驚かせたジャポニズムを再現。浮世絵約440枚を使った映像12種類が360度で流れるサマは迫力満点だ。

 3階は「EJアニメミュージアム」、4階は「エディットアートギャラリー」(来年1月10日まで俵万智展開催中)と続くが、圧巻は隣接する「本棚劇場」。館長・松岡正剛氏監修の本2万5000冊が50メートルにわたり配架された「エディットタウン―ブックストリート」、作家荒俣宏氏監修の部屋「荒俣ワンダー秘宝館」の奥に広がる図書空間で、5階まで突き抜けた本棚の高さは約8メートル。KADOKAWAの出版物を中心に約3万冊もの本が収められており、圧倒される。

 5階は「武蔵野ギャラリー」などで、来年2月13日まで食の展覧会「武蔵野3万年前のレシピ」を開催中。ダイニングでは旧石器時代のレシピを使った料理も味わえる。

 パビリオン(12月16日まで角川映画祭開催中)やレストラン、ホテル、神社、オフィスなどがあるタウンの中でも存在感抜群のミュージアム。魅力もいっぱい詰まったエンタメの玉手箱のようだった。料金などの問い合わせは(電)0570(017)396。

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