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短ハリス釣れます!アカムツ8匹

[ 2022年8月4日 07:10 ]

美味いんだな、これが。でっぷりアカムツに大満足(撮影・長久保 豊) 
Photo By スポニチ

 【釣っちゃろ】竿先を激しく叩く人あり、かたくなにゼロテンションを貫く人あり。茨城県波崎港から航程1時間弱に位置する寒猫根(かんねこね)のアカムツ釣りだ。攻める船も多いから魚もちょっとスレ気味。経験やちょっとしたテクニックで釣果に差が出てしまうことも多い。深海の赤い宝石をゲットするために再び修業の旅に出た。(長久保 豊)

 当たる。また当たる。その当たり方だって半端じゃない。ガツガツとえげつないほど強引だ。実は船中、釣れているのは右舷胴の間の私だけ。型も36センチ平均と悪くない。

 「何か特別なことをしているのですか?」。たまりかねたお隣さんから声が掛かる。よくぞ聞いてくれました。小鼻を膨らましながら私が答える。「30センチ」。それだけで秘密を理解してくれたお隣さん。ポンポンと2匹連続でゲットして笑顔のグータッチです。

 潮がほとんど流れない1日。「水深140メートル」。はまなす丸・堀田正巳船長のアナウンスと同じだけラインが出て着底。底にめり込んだ120号オモリを抜き出してそのままゼロテンション。反応もないままに時間だけが流れていく。

 ミヨシの常連さんは激しく竿先を叩き、誘い続けるがやはり沈黙している。

 しびれを切らした堀田船長。お得意のラン&ガン作戦でピンスポットを攻める作戦に。するとこれが当たった。着底と同時にゴン。お次はゼロテンションで我慢しているとゴン。実は潮回りの最中に仕掛けを変更していたんです。160センチの捨て糸はそのまま。45センチのハリスを一気に30センチまで詰めました。餌もサバ短とホタルイカの抱き合わせからホタルイカだけに。流れていない潮で45センチのハリスと重い餌では垂れ下がってしまう。そこで短ハリス作戦です。

 アカムツ釣りでは餌が潮に乗ってたなびいていることが大事。垂れ下がって幹糸に絡んでいるような状態では誘いもムダです。
 納竿の2時間前に制限匹数の8匹に到達する夢の時間。いつもは捨て糸の長さばかりを気にしていたけど、これからはハリスの長さにもこだわってみよう。短ハリス、釣れます。

 〇…寒猫根では水深120~140メートルをオモリ120~150号で攻める。口が弱い魚なのでバラシも多いが、きっちりと合わせを入れることで回避できる。ハリは太軸ホタ針が人気だが、各メーカーから専用バリも出ている。魚を掛けたら竿先は決して下げないこと。竿尻を腹に当て竿先は目線より上に。また巻き上げ時のサメの横取りも増える時季。同船者同士で危険水深を教え合い、イチかバチかの早巻き回収で対処するしかない。またサバで仕掛けが落ちないようなときは即座に1本バリに。アカムツの遊泳域に餌を送り届けることが肝心だ。釣果も変わらない。 

 〇…夏場だけに水分の補給は忘れずに。終始、手持ちでやるのも結構だが無理は禁物。疲れたら置き竿にしてしまってもいい。その場合はオマツリを回避するためにオモリトントンより少し上。波で船が下がったときに、ときどき底を打つぐらいでよい。寒猫根ではおいしいゲストとしてツボダイ、チョウセンバカマが釣れる。熱帯魚のような風貌で捨ててしまう人も多いようだが、一夜干しにすると脂の乗った極上の白身に出合える。是非ご賞味を。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、波崎・はまなす丸=(電)0479(44)4627。集合は午前4時。乗合料金1万3000円。

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