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粋だね~江戸前アナゴで「ア巻き」 「ウ巻き」超えるうまさ?!

[ 2022年6月11日 07:11 ]

一荷で調子を上げた清水さん
Photo By スポニチ

 【一釣一品 食べま専科】「ア巻き」を食す。「うまき」ってのがあるでしよ。ウナギのかば焼きを芯にしただし巻き卵ね。それをアナゴ仕立てに。東京湾のアナゴ好調だ。南六郷・ミナミで夜の一戦。(スポニチAPC・町田 孟)

 初夏の風も日没ともなると冷んやりしてはやる心を鎮めてくれる。暗くなれば工場夜景が眼前に浮き上がり幻想的ですらある。若大将ふうにマイボートでナイトクルーズ。隣にはムフフな女性…。なーんて妄想!!妄想!!。

 なんせ、色気より食い気。狙いはオナゴじゃなくアナゴ。一戦交えるったって目的が違うもの。まあ、微妙な間合いにドキドキするのは変わらんがね。

 【釣戦】安達祥一船長=写真=の前説は「小突きは軽くゆっくりめが今年の傾向。前当たりで合わせないで一呼吸置いてから本当たりをつかんで」。

 アナゴは二刀流が定番。リズムが取れるという。でもね、技量が乏しいので1本で狙った。ピクリともしない。竿が硬過ぎるのか不安に。♪どぉ~すりゃあいいのさ…。すると「硬い方が当たりが取りやすいです」。第2のお達しだ。心が落ち着いたせいか、すぐさまムズムズ、ブルブルブル、待望の1号!

 【クッキング】何で「ア巻き」?造語。うの上を行くアって意味も。自己満足気味だがね

 煮アナゴにする。さばいてもらった身をさっと水で洗う。皮目にお湯をかけると表面にヌルが白くなって浮く。包丁の背でこそげながら水洗い。

 煮汁はたっぷりで。血に弱い毒があるけれど熱を加えれば無害。味付けの割合は水4、酒2、みりん、しょうゆ、砂糖(またはザラメ)各1・5。味の濃さは好みで調整。火にかけて煮立てアナゴを皮目から入れる。落しブタをして再び沸騰したらひっくり返し中弱火で15分。火を止め、しばらく味の含ませタイム。後はだし巻き卵の要領でアナゴが中心に来るよう焼く。

 ツメ(たれ)を作るには煮汁に中骨を入れてトロリとなるまでコトコト煮詰める。でツメって言うんだ。

 家人いわく。「アナゴも卵も大好物だからうれしい。でもネーミングがダサい!」。フン、アンタの毒は消えてない。

 ○…左舷トモの清水孝一郎さん(76=杉並区)は穴子道「40年以上」の手だれだ。出足は渋かった。それでも慌てず騒がず「潮目が変われば」。言葉通り一荷をきっかけに本領発揮。2本の竿を自在に操って19匹。「小突き幅は小さめ、道糸は緩めない」。鉄則を守っての竿頭だ。現役時代は「土曜日の会社帰りに直行したもんです」。アナゴに引かれる理由は「微妙な駆け引きですね」。江戸前の釣りの面白さを楽しんでいる。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、南六郷・ミナミ=(電)03(3738)2639。出船午後5時半前後。乗合料金7500円(餌付き)。

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