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芦ノ湖で幸運 ブラウン61センチ 風もやんで妻が狙った1匹GET

[ 2022年5月8日 15:50 ]

筆者の妻が釣り上げたブラウン
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】ゴールデンウイークに突入する直前の4月下旬。妻・幸代と愛犬・ヤマトと一緒に神奈川県箱根にドライブ。観光した後、夕方だけ釣りをするという約束で。

 私が初めて芦ノ湖を訪れたのは今から約40年前、中学2年の夏休みでした。その時には桟橋から(当時は開放されていた)41センチのブラックバスがヒットし、その凄さに感動しました。

 芦ノ湖はその後大量にマスを放流し湖の釣り堀化と言われました。そして超大型ニジマスなどを放流し、スーパーレインボー、モンスターブラウンというブランドでミノーイングというトレンドをつくりました。元箱根の釣具店「フィッシングショップノザキ」店主でミノーイングのカリスマ、野崎茂則さんが開発した「グリグリナナハン」という専用ロッドとABUカーディナル4の組み合わせを懐かしく思う方も多いことでしょう。

 時は流れ、今ではワカサギの湖として大成功しています。ワカサギが増えればマスも大喜びのはず。ソフトルアーを禁止し、餌釣りの制限をしたおかげなのか分かりませんが、ラバーネットも普及し、元気な状態でリリースする人が増えたため、マスたちはさらに大きく育っているような気がします。

 この春は特にそれが顕著で、ヒレピンの野生化したきれいなマスがたくさん釣れています。

 観光をしたあと午後4時前、岸釣りポイントへ入ろうとしたら、上がってきた人がいたので聞いてみると結構渋いそうです。早朝はワカサギを追ってボイルしていたそうですが、日が昇って風が吹き始めたらピタッとやんだそうです。

 ということは、大物は夕方だと言い聞かせて釣り開始。幸運にも風が収まり始めました。するとすぐにジャッカルのI字系バスルアー、ナギサをキャストしていた妻にヒットがありました。ジャンプせず、粘るファイトをしたのでブラウンかと思ったら、ヒレピンのニジマスでした。50センチ弱でしたが美しい越年魚でした。

 私はフライでドラワカという死んで浮かんだワカサギを疑似したフライを浮かべていましたが、何も起こりませんでした。
 しばらくすると妻が「ブラウンが追ってきた」と言います。魚はいることが分かったので張り切りましたが、賢いからか食いつきません。その後粘りましたが、ヒットはありませんでした。

 日が傾き始めました。さっきのブラウンをどうしても釣りたいということで、餌釣りをすることに。用意しておいたワカサギ(マルキユー「アミノリキッド」に漬けて冷凍しておいたもの)を取り出し、チヌバリ5号に掛けて投げ込みました。

 するとすぐに「掛かったよ」と妻。早速ヒットしました。ロッドが大きく曲がります。全く暴れなかったので「コイかもしれない」と。しかし手前に寄ってくるといきなりドタバタ暴れ始めました。ブラウンでした。それもかなり太いです。

 ドラグが鳴りここからファイトというべき攻防が始まりました。ラインはクインスターというサンラインの激安品。大丈夫だろうかという不安をよそに妻は「私が合図するまでネット出さないでね」と冷静。そしてブラウンはゆっくり引き寄せられ「今だ!」と声が掛かり私はラバーネットを差し出しました。全長61センチ、胴回りは40センチ、3キロありました。ワカサギをたらふく食べているのが分かるほど丸々太っていました。リリースして泳ぎ去る姿もカッコいい魚でした。(東京海洋大学客員教授)

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