×

代役でいい味 アジのチーズ焼き マダイ主役のはずが…相模湾見直す極上品

[ 2022年4月5日 07:17 ]

アジのチーズ焼き
Photo By スポニチ

 【一釣一品 食べま専科】アジのチーズ焼きを食す。ライト五目っていろんな魚に出合える。当たり外れはあるけれど、そこがまた楽しい。ある皮算用をしつつ平塚・庄三郎丸へ出掛けた。(スポニチAPC・町田 孟)

 ふと思った。五目は一昔前のブラインドデートだって。スマホはない。どんな娘が来るか分からないスリルがあったもんだ。思いもよらずシメタってことも。まあ、大抵は「ごめんなさい」を言われる側だったが…。

 このフィールドを得意にしていたヤツがいてね。うらやましいことに取っ換え引っ換えだった。身長も顔も並。なのに指をくわえる僕に一言。「マメに勝るものなし」。「えっ、マジメ?」。「ば~か、ジ余り。マメだよ」。落とす極意はコマセワークにも通じるな。アハハ、最近枯れてはきたけれど枯淡の境地にはまだ遠い。ついつい“妄想ゲーム”してしまう。

 【釣戦】宿の仕掛けは3本バリ。上2本にウイリー、カラバリにはオキアミを真っすぐつける。ビシは浅場の30メートル前後で30~40号。深場100メートルになると60号。このところアジ主体だ。望月幸雄=写真=から告げられるタナの間を探る。「リール1回転分50~60センチ幅で根気よくシャクってくる」。当たりダナを見つければ入れ食いだ。
 成果は4目だった。25~35センチのアジ。サバ(干物)、サクラダイ(海鳥の餌食)、シキシマハナダイ(放流)。

 今後の見通しは「濁りが入れば浅場でクロダイが狙える」。

 【クッキング】小さくてもマダイのはずだった。結局アジを代役に。ところが東京湾の黄金アジに引けを取らないぷっくりで色白の極上品ときた。見直したぞ相模湾。

 皮を引き軽く塩コショウ。フライの手順で小麦粉→卵ときたら粉チーズをまぶす。サラダ油かオリーブ油で背側から両面を焼く。油を捨ててバターをたっぷり落とし、白ワインでフランベ。

 バターは仕上げで使うべし。早くから入れると焦げて風味を失う。ソースはアボカド、プレーンヨーグルト、マヨネーズに塩・コショウ。付け合わせにグリーンアスパラとキノコのソテーを。

 家人いわく。「アジはうれしい。でも、もっといろんな魚を食べたかった」。あんたは確か1本釣りだったよね。

 ○…90メートルダナでも手釣りで攻めていた太田忠さん(66)は埼玉県狭山市在住。「埼玉はコロナ患者が比較的多かった。まん延防止期間中は車のナンバーで何やかや言われるのも嫌」と遠出を自粛していた。解除になって「好きな五目に来たけれど久しぶりなんで調子がイマイチ」。引き抜きでポトリのもったいない場面もあったが、そこそこの釣果。「なじみの寿司屋に持っていって一杯」。目尻を下げていた。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、平塚・庄三郎丸=(電)0463(21)1012。午前6時半出船。乗合料金1万1000円。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る