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お宝パラソル級 ヤリイカ40匹 “泥棒アザラシ”から逃れ大仕事

[ 2022年3月24日 07:16 ]

パラソル級の多点掛けを決めた武内辰幸さん          
Photo By スポニチ

 【釣り新鮮便】引き良し、食べてよしならヤリイカがお薦め。茨城県鹿嶋沖では浅場でパラソル級の大物が出始めたと聞き、早速、鹿嶋・豊丸に足を運んだ。数釣りはできるが思わぬ“珍客”が現れて…。(後藤 賢治)

 午前4時に集合、5時すぎに出船すると、豊丸は約50分でポイントに到着した。

 仕掛けの道糸はオマツリや擦れにも強いバリバス「クラウン船PE X8」2号をリールに300メートル巻き、プラヅノ11センチ5~8本付け(ブランコ式)、オモリ150号で挑戦する。

 「ハイどうぞ。底まで70メートル」。出頭洋幸船長での合図で一斉に仕掛けを投入する。着底するやいなや、銚子市の宮内健治さん(72)に40センチ級がヒット。これが合図となり船内あちこちで竿が曲がり始めた。

 筆者にもグングンと重量感たっぷりの当たりがあり、少し巻きながら追い乗りさせると5~6匹の好気配。スイッチオンした電動リールの巻き上げ音が、何とも苦しそう。これは大きいぞと期待したが、残り10メートルまで上げたところで竿先がバタバタと上下した。何事かと思い仕掛けを見ると、4本のツノにイカの足だけが残った状態だった。「?」。気づいてみると、船の周りには十数匹のアザラシが。“可愛い泥棒”にどうやら盗まれたようだ。

 相模原市の伊藤茂美さん(73)は40センチ級を両手で握りしめ「このぐらいのが軟らかくおいしいよ」と満面の笑み。

 「重い、大きいぞ」の声は八王子市の武内辰幸さん(60)。パラソル級をゲットし「これで40匹。今日もアザラシに会いましたが、何とか数を伸ばせました」としてやったりの笑顔だ。

 船上でイカを干していた新宿区の松野雅一さん(71)は「家族がおいしいヤリイカを待っている。妻は料理が上手で、釣行した後も楽しいんです」。

 この日、豊丸では助手2人が乗船した。1人は今年から船長デビューした石田義彦新船長=写真。オマツリしてもすぐに駆けつけてくれるので、仕掛けもムダにならない。これはうれしいサービスだ。石田船長は「例年は大型が多く釣れる時季ですが、今年は少し遅れ気味。これからが本番になりそう。一生懸命頑張ります」と意気込んだ。おいしいヤリイカは今がチャンス!

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、鹿嶋・豊丸=(電)0299(69)3319。集合時間は午前4時、出船は午前5時。乗合料金は氷付きで1万2000円。

 【軟らかくイカしたパスタ】釣れたヤリイカを、東京都瑞穂町にある「寿し長」の大将・長谷川勇一さんに料理してもらった。お薦めは「ヤリイカの和風ガーリックパスタ」。

 (1)ニンニクをスライス、ネギをはす切りする(2)インゲンを2~3センチに切り、下ゆでする(3)内臓処理したヤリイカを輪切りにする(4)パスタをアルデンテにゆでる(5)フライパンにバター入れ(1)を炒めたら、(2)(3)(4)を加え塩、コショウで味を調える(6)皿に盛り付け刻みノリを散らせば完成。

 試食してもらった店のお客さんからは「イカが驚くほど軟らかい。ソフトなパスタでおいしい」、「ヤリ~、イカしている」と絶賛の声だった。

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