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さあ乗っ込みの春 腹パン35センチメジナ 低水温で活性低下→口元へ餌を運べ

[ 2022年3月16日 07:06 ]

35センチのメジナを釣り上げた鈴木さん        
Photo By スポニチ

 【磯&堤防ガイド】3月に入っても水温は上がらず、磯のメジナ釣りは各地で大苦戦中。そんな悪条件下でも、工夫次第で釣果を得ることは可能だ。(スポニチAPC・恩田 誠)

 今春の磯・堤防釣りは異例とも思えるほど低水温に悩まされている。表層こそ15度ほどあるが、宙層・底層はハリに付けた餌が凍りついてしまうと思えるほど冷たい。このため、魚の活性は著しく低く、本命のメジナはおろか、普段は邪魔者でしかない小魚さえ姿を見せない。

 今回は静岡県東伊豆・城ケ崎海岸にある「海洋公園下の磯」に釣友と出掛けた。例年ならば産卵のため磯近くに集まる「乗っ込みメジナ」が狙える好場所なのだが、今季は勝手が違うようだ。型が見られるどころか、ウキに当たりが出ることさえめったにないという状況とのこと。

 同行した横浜市の鈴木靖明さん(61=会社員)はここに熱心に通うベテラン。いつもなら引きの強い尾長メジナ交じりで30~40センチの数釣りが楽しめる。が、今季はイチかゼロかの戦いの連続だそうだ。

 「陸平根」の名を有する釣り場だが、足場が高いので、どこからでも竿が出せるというわけではない。別図のように、数カ所にやや低い所へ下りられる場所があり、そこが釣り座となる。

 鈴木さんは北側の入り江が好みなのだが、私が同行したことで、最も狙いやすい南側の陸寄りの場所に入磯した。海底はゴロタ交じりで極めて複雑な形状をしており、ここでは磯に並行して走る溝がポイントになる。低水温期には底層を狙うのがセオリーだが、今季は特にそれを徹底するしかないようだ。

 ウキ下は狙うポイントの水深より長くし、餌が底をはいながら少しずつ潮の動きに乗って移動するようにする。根掛かりは必至だが、溝に集まっているだろうメジナの口元に餌を運ぶためには、これ以外の方法はない。

 コマセはまとまりの良いものを作り、溝の底までしっかりと落ち込んでいくようにする。そのため、配合餌はクロダイ用を準備するのがいいかも。

 低水温のために透明度が増した海は、底の形状まで視認可能。鈴木さんは前記の方法を徹底して、見事に35センチのメジナをゲットした。釣り上げた魚の腹はパンパンに張っていた。産卵のためにメジナが集まっていることは確実だ。

 魚はいる。問題は、活性が極度に低下している魚の口元へ、コマセと付け餌を運べるか否かなのだ。それだけに、釣り上げることができた珠玉の一匹は光り輝いていた。

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