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“数より型”一発狙いのギャンブル アマダイの置き竿釣法 達人の技に魅せられ挑戦もアマくない

[ 2022年1月25日 07:24 ]

上バリをくわえた置き竿1号
Photo By スポニチ

 アマダイの「置き竿釣法」が無性に気になっていた。昨年末に行われた平塚と茅ケ崎の大会に参加した“達人”に驚異の技を見せつけられたからだ。しからば平塚・庄三郎丸で実釣見分。
(スポニチAPC・町田 孟)

 安藤美人さん(静岡県函南町)が置き竿達人その人。平塚の大会では「50(ゴーマル)」で総合優勝(51センチ)。茅ケ崎でも3位(47・9センチ)と立て続けに結果を出している。

 タナは基本の1メートルよりかなり高い。「2メートル、2・5メートル」。時と場合によって変える。

 船は深場から浅場へと流す。どこが食いダナかは分からない。魚の気分も日によって違うだろう。高くセットすれば当日の最適タナに自然と漂う寸法だ。

 特に大物は小刻みに揺らすよりゆったりした方が確率は高いとされている。理にかなっているわけだ。ドラグは「ゆるゆるにしておく。食ったら少し締めて巻きにかかる」。聞けば簡単。しかし、あなた任せでじっと待っているのではない。常に竿を注視しながら頻繁にタナの確認、餌の取り換えを行う。神経戦だ。

 見分当日はかなり潮が速かった。後藤久船長=写真=の指示も「底を切るのは通常の半分(50センチ)ぐらい」。アマダイの勲章「50」を手にしたい欲に駆られている身。思案の末ガン玉をかませ、1・5メートルに狙いを定めて竿掛けにセットした。2時間は音なしの構えでわずかに小さなオニカサゴだけ。生兵法の大ケガが脳裏をよぎった。

 オデコも致し方ない。そろそろ限界と覚悟を決めたその時、竿先が微妙に震えた。反射的に合わせをくれる。確かに本物だ。ただ、途中の暴れ方で想像できた。“置き竿1号”はタモいらずの25センチ。上バリをくわえていた。その後も高めを攻めたものの待ちぼうけ。たった1回のデートで振られた気分だ。後半は通常パターンに回帰した。タナ1メートル、小さな誘いを入れ、そーっと聞いてパタパタと3匹。

 初体験の置き竿釣法敗れたり。修業が足りん。この冬一番の冷え込みで風が頬に痛かった。後藤船長は「置き竿には大きいのが来ることが多い。でも、小さく誘うのに比べたら数は望めない。一発狙いのギャンブル要素がある。大会向きかも」。さて、型か数か。迷う。

 ○…手巻きリールをかついで釣り女ペアがトモに陣取った。北條めぐみさん(大和市)と高橋光さん(伊勢原市)は会社の同僚。「ここ1年毎週通っている」。3年前に会社仲間から誘われてイナダに挑戦したのが始まり。「入れ食いですっかりはまった」と北條さん。高橋さんは「50」ゲットもあるという。季節に応じてマアジ、イナダ、アマダイと“週一釣活”を楽しんでいる。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、平塚・庄三郎丸=(電)0463(21)1012。午前6時半出船。乗合料金1万円(餌付き)。

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