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おせちに飽きた口に 金しめアジわう こまめにタナ取り直して最大35センチゲット

[ 2022年1月11日 07:19 ]

爽やかなうまみのしめアジ
Photo By スポニチ

 【一釣一品 食べま専科】しめアジを食す。小~中クラスの金アジをあえてガッチリしめるんだ。ほどよいすっきり感がおせちに飽きた口に心地よい。好釣が続く葛西橋・第二泉水へいそいそと出かけた。(スポニチAPC・町田 孟)

 学生時代、東海道駅弁下りってのを思いついてね。半世紀以上昔のことだ。友人と東海道線の準急「東海」で名古屋まで。停車駅ごとワンカップを手にだべりつつ人気駅弁を平らげるっていう趣向。

 まず東京駅の「深川めし」でスタート。横浜(シューマイ)、平塚(シラス)、大船(サンドイッチ)、小田原(アジ押し寿司)、熱海(酒追加)、静岡(タイめし)、浜松(ウナギ)でギブ。

 この時アジの押し寿司がやたら気に入った。酢と塩のあんばいが酒と合ったんだろう。以後も他社のと比べてみた。どれも、それなりの味わいだった。番外では伊豆箱根鉄道伊豆長岡駅の「武士のあじ寿司」。一度は試してごらん。

 “しめ”の本道はサバだ。半生くらいが最高、女盛りってとこかな。でもね、行き過ぎは薹(とう)が立ったようでパサつき気味。手を出す気にならん。比べてアジのそれはきっぷのいい小粋な姐(ねえ)さんてとこかな。

 【釣戦】仕掛けは幹・枝共2号2メートル、2本バリ。小倉裕士船長=写真=は本牧沖へ。「タナは3メートル。起伏があるので、こまめにタナを取り直して。じっと待っててもダメ」。確かに2度目のタナ取りで体高のある20~30センチ級がキンキラと面白いように上がってきた。最大は35センチ。餌はイカ赤短と青イソメが用意されているのがうれしい。食い渋り時のイソメは効果抜群。

 【クッキング】ウロコを落とし三枚に。皮ごと砂糖をベッタリ塗る(水分を抜く作用大)。1時間後、洗い流して水気をよく拭き取る。塩を多めに打って約2時間。その間に米酢、寿司酢をブレンド。鷹の爪、昆布を入れておく。塩を酢水で洗い3~5時間漬け込む。皮を剥ぎ、切り分けたらユズを散らす小細工もアリだ。
 手順は簡単。でもね、うまい!と言うには手間と時間が必要だ。押し寿司はもとよりコハダのあわ漬け代わりに酒のアテ、酢の物など応用範囲は広い。

 家人いわく「独特のうまみはあるし、パサパサしてない」。うん、あんたは少し立ち過ぎてるかも…。

 ○…外道のクロダイ47センチをタモに収めたのは関琢也さん(51=武蔵野市)だ。「趣味は釣り一筋。船歴31年」。アジも53匹で竿頭。「なじみの寿司屋に持ち込みます」。クーラー満杯、笑顔満開。

 ○…超高級魚の大サバを仕留めたのは斎藤秀喜さん(60=渋谷区)。50センチはありそうで丸々とした極上品。「しめサバ、いや刺し身ですね」。ほっぺたが落ちそうだった。

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