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極小フライで感触ヘビー級オイカワ

[ 2021年12月5日 07:11 ]

フライでオイカワ釣りを楽しんだ筆者
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】30年ほど前は、禁漁になると多くの人は、何も釣るものがないからと下流域でオイカワなどの小魚を釣りにいったものです。時を経て“管釣り”全盛時代の今、新たにこの小さなターゲットが脚光を浴びているそうです。

 ネットで検索すると、オイカワ釣りの専門のフライの道具も出ています。メーカー品もあり頼もしい限りです。専門書もあります。

日本の釣り文化では小物釣りに対して芸術品とも呼ぶべき手作りの道具があります。ワカサギやタナゴ釣り用品など魚が小さいので厳密な強度が必要ないからかマニアックな品が多く見られます。フライのオイカワ釣りにもその傾向が見られます。

 オイカワ専用という0番、1番という超ウルトラライト、言い換えればペナンペナンの軟らかいロッドもあります。素材はカーボン、グラスが主流です。

 私はこの春、丸竹の和竿を利用して自作しフライ用に改造しましたが、ついにバンブーロッド(竹の六角竿)が出てきました。作ったのは東京都羽村市在住のハンドメイドビルダー、宮川和明さんです。ロイヤルリバーというロッドを作っている方です。

 今回試したのはその6フィート1番というロッドです。これに超小型リールを用い、ラインもエアセルDT1Fという一番軽いラインを使いました。リーダーは7X7・5フィートにティペットは0・3号を50センチ接続。フライはミッジと呼ばれるユスリカを模した超小型フライの20番です。これ以上小さいフライですと、老眼になった私には使いこなせません。

 場所は東京の多摩川です。昭島市より下流には温排水が各所にあり、水温は真冬でも15度以上のところが多くあります。今回私たちが釣りをした府中市では19度ありました。

 釣り方はウエットフライのダウンストリームスイングです。斜め45度ぐらいにキャストし、フライラインを流れに乗せると引かれて扇状に流れます。これをスイングと言いますが、フライが流れを横切って泳ぐので魚はユスリカと間違えて食いついてきます。

 当たりはプルルンと小気味よく伝わってきます。その時にはすでにハリ掛かりしているので、ロッドを立て、ラインをたぐるだけでOK。当たった瞬間は結構な強さでも、寄せてくると「なんだこんなに小さいのか」と驚きました。しかし裏を返せば、こんなに小さいのにあれだけの当たりが出るのだと感心します。

 またこの釣り方は北米大陸での巨大魚スティールヘッド(降海型ニジマス)と全く同じなので、ラインをスイングさせている時は結構ドキドキします。

 1番ロッドはペナペナなのでロッドが曲がり、魚が掛かっている満足度がありますが、それよりも大切なのはプルプル感の伝達力です。

 ならば専用の軟らかいロッドでなくてもいいのではないかと、いつも多摩川でナマズやコイを釣っている6番のロッドでも釣ってみました。リールは敬意を評して大物用として有名なアンチリバースのビリーペイトを使ってみました。

 するとどうでしょう。食いついた時に来る当たりの伝達は軟らかいロッドよりも優れ、ラインを引いている時も同様でした。ロッドにかかる負荷はラインの重みだけで30グラムもない魚では曲がりはしませんでしたが、引きは十分味わえました。

 つまり管釣りでニジマスを釣るような入門用のセットさえあれば、ティペットを細くして、小さいフライを使えば、オイカワ釣りは楽しめるということです。(東京海洋大学客員教授)

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