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練り餌も食ったアメリカナマズ50センチ ハクレン狙いも…予想外の展開

[ 2021年10月24日 07:16 ]

これがアメリカナマズ。日本のナマズと違ってよく引く
Photo By スポニチ

 【釣遊録】淡水の大物釣りで有名な利根川には、「中国四大家魚」と呼ばれる移植魚、アオウオ、ハクレン、コクレン、ソウギョが棲息しています。棲息数が少ないとされ、幻と言われているアオウオ、コクレンはなかなか掛かりませんが、ハクレンとソウギョは狙って釣れることが分かりました。

 ハクレンはヘラブナ釣りの際にも時折、掛かり、仕掛けがそのサイズに適合していないため切られてしまうそうです。しかしあまり太い糸を使うと掛からないそうで、プランクトン食魚の繊細さが感じられます。

 それではと今回は磯竿にリールをつけ、ヘラブナ仕掛けを作って試してみることにしました。

 ハクレンはプランクトン食なので、捕食活動は急流ではなく、プランクトンが集まりやすいよどみが狙い目だろうと予想しました。

 利根川には農業用水取り入れ口のよどみがあったり、急流を緩和するためにがれ石が入れてある場所があるのでそこで狙ってみました。

 タックルは竿がダイワ「ボロングレ3号53」。リールは同「エンブレムS2500C」、ラインはサンライン「磯スペシャル」2号(8ポンド)、ハリスは同「Vハード」2号、ハリはがま磯10号。1本バリのヘラ仕掛け。餌はマルキユー「へらスイミー」に「赤へら」をブレンドしたものです。

 これを手持ちで釣るのは重いので竿掛けも用意しました。

 午前中2時間ぐらい粘りましたが、当たりはなく、ハクレンらしき跳ねもありませんでした。そのポイントに見切りをつけ、昼食を兼ねて場所を大きく移動することにしました。

 今度の場所もよどみです。時折、流心近くで大きな跳ねがあります。おそらくハクレンのものだと思います。よどみの中では当たりもなく、流心を狙いたいところですが、流心で練り餌を利用した釣りにはブッコミしかありませんし、それでは繊細な当たりをとることはできません。

 練り餌を打ち込み待つしかないのです。1時間も過ぎた頃、最初の当たりがありました。それを合わせると、とても強い引きが伝わってきました。

 「3号を使っていてよかった」と思ったほどです。途中で引きは強いのですが、ハクレンではなく、大きくないことに気づきました。上げてみるとそれはナマズのファウルフックでした。ナマズなのですが、私が多摩川でいつも狙っている種類ではなくアメリカナマズです。英名ではチャネルキャットフィッシュといいます。大きさは30センチぐらいでした。

 1980年代に霞ケ浦で養殖していたものが逃げて繁殖を始めたとか、05年に特定外来生物に指定された際、その前に飼育者が遺棄したものが繁殖したとされています。大型は10キロを超えるそうです。

 アメリカナマズは何でも食べるとは聞いていましたが、野生種が練り餌に寄ってきたのか、ファウルだったのでなんとも言えませんが、その疑問はその後に解決できました。

 約30分後にまた当たりがあって今度もアメリカナマズでしっかりハリが口に掛かっていました。今度のは40センチぐらいありました。日本のナマズと違い、尾びれがY字になっていて急流をも泳ぐタイプのナマズなのでよく引きます。

 この魚はおなかが出ていて、そこを押してみると、練り餌を大量に吐き出しました。私の餌を川底で食べていたのでしょう。その後、入れ食いではありませんでしたが、同じサイズから50センチ級までが釣れました。すべての魚が練り餌をたらふく食べていました。(東京海洋大学客員教授)

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