×

ワラサ竿頭9匹 力強くメリハリつけたコマセワークで笑笑

[ 2021年10月21日 07:06 ]

9匹で竿頭の山田さん
Photo By スポニチ

 【名人への道 決め手はコレ!】静岡県東伊豆・初島沖で今、ワラサが爆裂中!出世魚ブリの一歩手前で怪力の持ち主。今季は4~5キロ級の良型が目立ち、ヒット後のバトルはスリル満点だ。決め手は一にも二にもコマセワーク。宇佐美・清貢丸で名手の技を見た。(スポニチAPC・林 悠二)

 剣崎沖を皮切りにスタートした今季のワラサ。真鶴沖でも姿を見せた後、ここへ来て初島沖で一気に爆釣が始まった。トップ10匹超えの釣果もあって、海上には連日大きな船団が。

 初島の南西沖。水深70メートルの海域にはこの日、網代・ゆたか丸や伊東・加納丸などの僚船も集結した。

 「タナは底上10メートル。しっかりコマセをまけば絶対に釣れます」。――午前6時。稲本貢一船長から投入開始の合図が出た。

 釣り方は出船前、乗客を船首に集め船長がレクチャー。ハリス8号6メートル。タナは底上10メートル。まず底から6メートルで大きく2回竿を振り上げてコマセを出し、4メートル巻き上げて当たりを待つスタイル。

 14人乗った清貢丸での第1号は右舷トモ。4キロ級がタモ取りされると、今度は同ミヨシで竿が弧を描く。

 朝のゴールデンタイム。腹ペコ状態の魚が餌待ちしていた感じ。しかし、コマセワークで明暗がはっきりするのもこの釣りの特徴。

 一向に釣れずに苦戦する人がいる中、連発していたのが沼津市で釣具店を経営する山田真弘さん(62)。

 宿の常連で数日前に15匹上げて竿頭を飾っている。

 山田さんのコマセの振り出し方が半端ない。竿先を水中に沈め、ここから頭上まで目いっぱい立ててあおる。やや長めの2・5メートル竿で「これでもか」というくらいの勢い。底上6メートルでこれを2回、さらに1メートル上げて1回あおり3メートル巻き上げて当たり待ち。で、数秒後に再びズドーン!

 「コマセは幅広くではなく狭いタナに集中してまくのが決め手」と山田さん。力強くメリハリをつけたコマセワークがワラサを呼ぶのだ。コマセの煙幕に突進させて、食い気を誘い出すわけ。チョロチョロまいていても食ってこない。とにかく竿を大きくあおり、コマセを振り出す。この日、5キロ級も出たが山田さんは4・3キロを頭に9匹。ハナダイ1匹。筆者も教えを受けて4匹ゲット。結局、当たりを出すのは誘い方次第。コマセが釣果につながった。

 ◯…待望のワラサを手に破顔一笑!「コマセを振り出して数秒後です」。強引な突っ込みをかわし80センチ(4・2キロ)の良型を仕留めたのは、横浜市の小玉久男さん(71)。遠征夜アカイカや銭洲シマアジなどの高級魚志向。この日、ハリ折れやオマツリで4打数2安打ながら満足げだった。

◆初島沖のワラサ

 イワシやイカなどワラサの餌が豊富な初島沖。群れは例年、年明けまで居着く。11月下旬にはイカを餌に狙う夜釣りの“イカ・ブリ”がスタート。8キロ超のブリも掛かるのが魅力だ。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る