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“湧く湧く”ブランドマダコ 小突きアクションがカギ

[ 2021年8月19日 07:15 ]

良型を連発していた宮地さん
Photo By スポニチ

 【博覧釣記】今シーズンも各地のマダコは湧きが良く好調な乗りを見せている。千葉県大原・幸盛丸でも良型ぞろいで2キロ級も顔を出す。ここ大原のブランドマダコは味が良く一級品。水深が浅くて釣りやすいため手軽に楽しめる。(国友 博文)

 7月末からスタートした「餌木マダコ」は、ヒラメが全面解禁する9月末までの予定。

 定刻になると、鈴木正弘船長は迷うことなく実績の高い太東沖を目指す。

 「水深はだいたい10メートルです。根掛かりに気を付けてください」の合図で、餌木とオモリ30号を投げ入れる。オモリが着底したら小突きスタート。この釣りは一にも二にも小突きが釣果を左右する。

 タコ釣りが大好きな川越市の高橋一雄さん(58=会社員)の仕掛けは、餌木にブタのバラ肉を巻き付けて、その上30センチに集魚テープとタコベイトを装着する豪華版。においと道具の両方でアピールする作戦。繁華街で客引きの呼び込みに、心が負ける自分を思い出す。

 空前の餌木ダコブームだが、小突きのアクションとアピール方法が鍵となる。ファーストヒットは東金市の宮地雅之さん(56=会社員)。専用竿が大きく曲がると開始早々1・5キロ超級が顔を出す。

 「いやー重かったです。もわっと乗りを感じて、うまく合わせられました」と満足の笑顔だ。

 「タコがいることが分かりましたよ。頑張ってください」と船長も納得の様子。小突く手にも力が入ると、高橋さんも合わせが決まる。「ビニールが引っ掛かったような当たりが独特ですね。合わせた時の感触がハマります」と作戦成功。

 「グニュ!」「ヨシヨシ来たな」。笑みがこぼれる。そして小突けなくなると、竿先を海面まで下げて合わせに備える。「よーいしょっと」。マダコを海底から剥がしたこの瞬間が最高だ。
 潮が動くと“乗り”も連発する。

 「根掛かりかと思ったら、タコでした」と宮地さん。そして連続ヒット!「私は酒飲みで、唐揚げにはビールで、刺し身には日本酒がたまりませんね」とコメントもノリノリだ。

 高橋さんは、新製品の「黄色いザリガニワーム」に仕掛けをチェンジ。すると、一発でマダコを釣り上げた。“どうぞ”と、高橋家自家製キュウリの一本漬けまでごちそうになる。「ウマーイ」。火照った体を癒やしてくれる絶品な味わいに感謝。

 「餌木タコ釣り」。自分の小突きで、ブランドマダコを釣り上げるチャンスです。

 【餌木タコの基本】マダコの乗りは「モヤ、ムニュ」と独特な感触が手に伝わることで分かる。どう猛なマダコは餌を見つけると、しっかり抱き付いてくる。そのため手が止められるまで小突き続けることがポイント。乗りを確認したら、ちゅうちょすることなくしっかり合わせを入れよう。重ければ、ハリ掛かり成功!餌木のハリは返しがないため、緩めないように巻き上げよう。

 ◯…おいしいマダコの処理方法やゆで方はさまざま。手っ取り早くて間違いないのが一度冷凍する方法。釣れたままの状態で、小分けにして冷凍するだけ。たくさん釣れた時も重宝する。長期保存もできてご近所に配れば喜ばれる。冷凍することで、厄介なぬめりが取れて、マダコの繊維が壊れて身が軟らかくなる。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、大原・幸盛丸=(電)0470(62)2267。集合は午前4時。乗合料金1万円(氷付き)。

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