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ルアーの誘引力無限 初心者でもバンバンヒットすることも

[ 2021年6月20日 08:16 ]

タイラバで初めて釣ったマダイ。うれしい1匹
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】ルアーで釣れる魚の種類がどんどん広がっています。約20年前、釣り餌のメーカー、マルキユーの宮沢政信会長(当時は社長)と、「このまま人間の科学力と魚への知識が広がったとき、ルアーでいろんな魚が釣れるようになるでしょう」と餌メーカーの開発力について話をしました。

 マダイやクロダイまでが当たり前のようにルアーで釣れるようになる時が来た、ということを昨日のように覚えています。

 少なくとも、1995年に私が「ソルトウォーターフィッシング・マニュアル」(山と渓谷社)を出版したときには、マダイルアーの市場はありませんでした。

 今ではその2魚種は当たり前にルアーで釣れるし、アジやメバルでさえ専門のルアーロッドがあるほど一般的になっています。

 今回は奥山塾フライキャスティングレッスンの参加者の一人、川添法臣さんと「タイラバ」に挑戦しました。場所は静岡県御前崎。「ここでやれば初心者でも間違いなくヒットします。まかり間違えば7キロオーバーの可能性も十分にありますよと」と川添さん。

 「タイラバ」は丸いオモリにラバースカートが付いたルアーです。泳がせると、タコが泳いでいるようにも見えます。過去にタイラバでヒットした魚はマハタやスズキ、ブリやクロマグロ、そして淡水では中禅寺湖のレイクトラウトも。ルアーの持つ誘引力は無限ですね。

 当日は朝5時半出港、一路御前崎沖を目指します。

 開始早々、トモにいた人に40センチ級がヒットしました。気合が入ります。海底まで沈め、着底したらすぐに巻き上げ、一定のスピードでルアーを泳がせます。10メートルほど巻いたらまた沈めて、それを繰り返します。沈めて巻くだけで勝手に食いついてくる。そんなイメージを持っていました。追いかけてきてハリまでくわえない場合は、ブルンブルンと当たりがあるので、止めもせず、アクションも加えず、そのまま巻き続けるとグーンと重くなる。そういうアドバイスで始まりました。動画では糸も結べなさそうな初心者の女の子がバンバン釣っているのを見たこともあり、いるところに行けば簡単にヒットするのだろうと思っていました。そしてそう、ここは御前崎なのですから。

 甘かったです。まず川添さんにヒットしたのは小型のイズカサゴ。そして私に来た大きな当たりはウッカリカサゴでした。

 潮が速くなると水深50メートル余で、最初の着底は分かるのですが、2度目、3度目になるとどんどんラインが出ていき、着底すら分からなくなりました。
 なんと情けない話でしょう。過去には水深30メートル以浅しかやったことがないので、その深さに対応できませんでした。
 それでも川添さんのアドバイスで、ビンビン玉を「爆流」(ジャッカル)200グラムに交換しティップの跳ね上がりで着底が分かるようになりました。そして川添さんが同じく200グラムで釣った後、私にも1匹がヒットしました。ルアーで釣れたことがとてもうれしかったです。
 正直に言って、まだこの釣りが全く理解できていません。しかし川添さんがリベンジマッチなど誘ってくれているのでこれから何回かやってみて、ゆっくり技術を習得していこうと考えています。
 それにしてもマダイは「タイラバ」を何だと思って食いつくのでしょうか?釣ったマダイの胃の中はカニがたくさん入ってました。(東京海洋大学客員教授)
  

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