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座布団タカノハ期待 さあシーズンイン~過去の釣果から~

[ 2021年6月11日 05:30 ]

3年前、筆者が苫小牧樽前の浜で釣った63センチのタカノハ
Photo By スポニチ

 【爆釣タックルほっかいどう】緊急事態宣言による外出自粛中なので、これからシーズンインとなる「マツカワガレイ」について触れてみよう。北海道では「タカノハ」の愛称で知られ、投げ釣り師には憧れのターゲットである。私の年間釣行の半数を占めるくらい釣期が長く、5月末~12月初めの半年間は楽しめる。

 初見は45年前。小学生の頃に自宅の前浜で釣り上げたものだった。幻の魚と言われていただけに、大小問わずタカノハが釣れただけで感動した。海水を入れたバケツに生かしておくとびっくりしたのが、指を水面に付けると餌だと思ったのか、水面まで上がってついばんできたこと。それも何回も!さっき針掛かりしたばかりなのにまだ貪欲に捕食しようとするさまから、「タカノハ=どう猛なハンター」の印象が強く残った。

 成長スピードが速く成魚と呼ばれる50センチ以上になるまでわずか5~6年。食してもおいしいことから、北海道のブランドガレイ「王鰈(おうちょう)」として人工ふ化させた稚魚を毎年100万匹放流している。釣り人もその恩恵を受け、幻のカレイも対象魚となった。マガレイは50センチになるまで10年かかるが、その半分で成魚になる速さは常に泳いでいることと貪欲な捕食にある。アーカイバルタグ(記録型電子標識)を付けた追跡調査で、1~2月の産卵期には東北沖へ移動し、その深海が産卵場になっていることまでは分かったらしいが、いまだに謎多き魚であることは間違いない。

 私が釣行のメインとする日高方面は7~10月だが、シーズン初めの5月末~6月中は地元苫小牧から近場の登別辺りを通るため“座布団タカノハ”を手中にできるチャンスはある。3年前の6月15日に苫小牧樽前の浜で63センチ。昨年は5月25日に登別で伊藤繁昭さんが57センチ。1カ月ほどの短期間だが、集中釣行の価値はあるのでは。(苫小牧市・小坂 誠二)
 

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