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フライ先行 水底を流すボトム・ルースニング 秩父で白銀ニジマス43センチ

[ 2021年5月25日 07:10 ]

43センチの白銀ニジマスを釣り上げた筆者
Photo By スポニチ

 【釣りの旅】

 埼玉県の秩父盆地を北上するように流れる荒川。秩父漁協の「荒川本流C&R(キャッチ・アンド・リリース)釣り場」は流れの底に白銀の良型ニジマスが潜む。また秩父盆地を見下ろすようにそびえ立つ名峰「武甲山」を紹介しよう。(吉田 俊彦)

 秩父漁協が管轄する荒川水系は広大だ。魚類資源保護と遊漁を両立するために、C&R区域、漁獲制限区域、禁漁区域を設け、精力的に漁場管理に取り組んでいるのが素晴らしい。このうちC&R区域は源流部の中津川と支流の横瀬川と本流の3カ所に設置されている。

 筆者は長男と2人で皆野町にある荒川本流C&Rにフライで釣行した。自宅の入間市から国道299号利用で約1時間。早朝なのでセブンイレブン秩父黒谷店で遊漁券(日釣り1800円)を購入。本流C&Rは皆野中学校の横から河原に下りると駐車場がある。

 午前6時半に釣り場に到着。筆者の狙いはニジマスだ。この区域は10月から2月の期間はC&R冬季ニジマス釣り場。つまり野生化したニジマスが通年で狙える。しかし、リリースを繰り返された賢いマスの攻略にはコツがある。まず魚の付いている流れの筋を確認すること。そして川底にフライ先行で流し込むことだ。今回は大きめのインジケーターとショットを使用した「ボトム・ルースニング」釣法を息子に教えながら釣り下ることにした。

 通常のルースニングとの一番の違いはフライ先行で水底を流すこと。インジケーターがよりゆっくり流れるようにラインを操作するのが肝。川底に張り付いている警戒心の強い良型を釣るにはロングリーダーが有利。筆者はVARIVASリーダー「スティルウォーターFHT」3Xに4Xティペット6フィートを足して全長20フィートの先にフライを結ぶ。ロッドは同「パワートレイル」#6だ。

 釣り始めて間もなく、息子に当たりがあったがフッキングせず。しばらくして今度はマーカーに魚がライズしたという。しかし、大物はベタ底に張り付いていると自分に言い聞かせてフライを先行させて川底に送り込む。8時を少し回ったところでラインが引き込まれる明確な当たりが筆者に来た。ロッドを立てると強烈な引き込みで魚はさかのぼっていく。10メートルほど走ってからジャンプ。シャープな引きとジャンプを繰り返したのは一見サクラマスと見まがうような白銀に輝く43センチのニジマスだった。筆者が使用するVARIVAS「2130VBL」は太軸で丈夫、鋭くカエシのないバーブレスフック。安全なことと魚のダメージを少なくできるのでお薦めだ。またリリースする魚を持って写真を撮る時は、必ず手を十分に濡らしてからにしよう。

 【武甲山】標高1304メートル、眼下に広がる秩父盆地の眺望は絶景。山頂はかつて1336メートルだったが企業による石灰岩採掘により低くなってしまった。武甲山の良質な石灰岩はセメントとなり資源の少ない日本の高度経済成長を支え続けた。武甲山は狼信仰の山。筆者は自然への敬意と感謝を忘れないように登山している。お薦めコースは横瀬口の生川駐車場~大杉広場経由で山頂まで約2時間。ぜひ挑戦してみよう。より充実した釣りの旅になることは間違いない。

 ▼問い合わせ 秩父漁業協同組合=(電)0494(22)0460。

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