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“二刀流”でシロギス37匹 「電動リール竿」置いてよし「投げ」てよし

[ 2021年5月15日 07:11 ]

“二刀流”で数を伸ばしていた神田さん                               
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 【釣り日和】

 東京湾のシロギスが始まった。葛西橋・第二泉水に乗り込んだ。数釣りの季節はもう少し先だが、釣れ上がるのはいずれも良型。キスらしからぬ強い引きを楽しんだ。(笠原 然朗)

 河岸払いして航程約1時間10分。黒沢正敏船長が選んだポイントは中ノ瀬の16メートルダチ。餌の青イソメの垂らしは2センチほど。オモリは15号。片天ビン仕掛けを遠投して底を引きずりながら当たりを取る釣法だ。

 夏場はこれで小型の“ピンギス”交じりで掛かってくるが当たりは遠い。足元まで巻いて底をゆっくり小突いているとゴン!と野蛮な当たり。何だ?巻き上げるとまぎれもない本命。体長22センチ。家に帰って量ったら100グラム。“ピン”3匹分のヘビー級だ。

 「青イソメは頭の硬い部分を切って付けて。誘いは竿の動きを止めて食う間をつくってください」とは黒沢船長のアドバイス。
 初っぱなからの特大に気をよくしたが、次の当たりは遠い。餌の垂らしを4センチほどにして誘ったらやっと2匹目。やはりデカい。シロギスは現在の相撲界のように大型化が進んでいるのか?
 隣席で釣っていたのは所沢市の神田翔平さん(24)。1本は置き竿の電動リール。もう1本は投げの二刀流。名前はくしくもエンゼルスの大谷選手と同じだ。

 「投げてオモリが着底したらしばらく待って、巻いてからもしばらく待って掛けました」。「待ち」を重視する静かな釣りで上がってみれば37匹の竿頭。

 大手スーパーの鮮魚売り場に勤務。「釣りも魚も大好きなんです」とショーヘースマイルを見せてくれた。

 圧巻の釣りを見せつけられ焦っていたら明らかにシロギスとは違う当たり。ギリギリと巻き上げると、海中で“羽”を広げ、あでやかな姿を見せたのはホウボウだった。

 夏に向けて浅場で小型が釣れるようになると初心者でも楽しめるようになる。だが大型の引きを味わいたいならいまがチャンスだ。

 ◯…「東京湾の小物釣りなら何でも」と話すのは三郷市の星野修さん(73)。良型を釣り「シロギスは引きが魅力的ですね」。釣り歴は40年。マダイ釣りも好きで千葉・勝浦で60センチの良型を釣り上げたこともあるという。

 ◆鮮魚のプロ・神田さんの話 どれだけ鮮度がよくても店頭に並ぶ魚は取れてから日がたっているため、釣り物とは比べものにならないですね。シロギスは鮮度が落ちるのが早く市場に出回るのはまれです。売り場でいまおすすめなのは養殖のマダイやブリ、カンパチ。コロナ禍で供給過剰なので寿司店に出回るようなものが安く手に入ります。

 ◯…釣れたキスはうろこを取り、三枚におろして中骨をそぎ取り、皮はつけたまましゃぶしゃぶでいただいた。淡泊な中にうまみが凝縮され、魚のしゃぶしゃぶとしては最高峰と言っても過言ではない。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、葛西橋・第二泉水=(電)03(3645)2058。出船は午前7時。乗合料金8800円。女性は2割引き、中学生以下は半額。

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